NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は5月11日、グループ会社のNX国際物流(中国)有限公司(NX中国)が中国各地から欧州向けに、カスピ海を経由する新たな複合輸送サービスを4月1日から開始したことを明らかにした。

中国発欧州向けカスピ海経由サービスルート図

●サービスの特長
・中国各地からカザフスタン・アクタウまで鉄道で輸送し、アクタウからは船舶を利用しアゼルバイジャン・バクーまでカスピ海を海上輸送する。バクーからトルコ・イスタンブールまで鉄道で輸送後、EU 側の鉄道、またはトラックに積み替え欧州各地へ繋ぐ複合輸送サービス。
・リードタイム(例):西安からデュイスブルクまでおよそ50~55日
・サービス頻度:週1便
・欧州向け海上輸送や鉄道輸送(中欧班列)に加え、新たなBCP用輸送モードとして利用可能。

●サービス開発の背景
新型コロナウイルス感染拡大により、中国では上海市でロックダウンが長引き、空港・港湾の混雑に加え、上海市外を結ぶ華東エリアのトラック輸送が困難な状況が続くなど物流に大きな影響が出ている。

NX中国は、顧客のサプライチェーンを維持するため、現状の中欧班列を利用した鉄道サービスのほか、混雑する上海港や浦東空港を回避し、中国国内の鉄道輸送と、海上輸送を組み合わせた複合輸送サービス、2ルート(①北ルート/青島・連雲港利用、②南ルート/寧波・温州港利用)を開発し、サービス提供してきた。今回、上記の複合輸送サービスに加え、中国から欧州向けに、カザフスタンを経由し欧州各地へ輸送する「カスピ海ルート」を開発。同サービスはロシアを経由しない欧州向けのBCP用輸送モードとして利用できる。