南海電気鉄道㈱と㈱東京流通センター(TRC)は4月30日、自動運転トラック等をはじめとする次世代モビリティや貨物鉄道 輸送との連携(モーダルコンビネーション)を活用した東京-大阪間の幹線輸送経路構築やその他物流効率化に資する各種取り組みに向けて業務提携を行うことで、4月1日に合意したと発表した。
今後、両社の物流施設の強みを生かした新たな社会インフラの構築により、日本の物流業界が抱える社会課題の解決を目指していくとしている。
南海電鉄の持つ東大阪・北大阪流通センターとTRCは、高度経済成長期における人口や自動車の増加等により生じた流通機能や都市機能の低下という社会課題を解決するため、それぞれ関西圏と関東圏の交通要衝地に一大流通拠点として整備され、半世紀以上にわたり日本の物流機能を支えてきた。今回、生活・経済インフラを支えるトラックドライバーの不足といった深刻な社会課題への危機感や、国民生活と経済発展を持続的に支える強靭な物流インフラの構築への使命感等のビジョンを共有していることを確認し、今回の業務提携に至った。今回の業務提携では、ただ単純に両社の物流施設をつなぐ輸送経路を設定するだけでなく、自動運転トラック等の次世代モビリティの運行や、貨物鉄道輸送との連携等の施策においても、両社が同一のゴールを見据えて提携することで、よりダイナミックな物流効率化の推進を目指すとしている。
●南海電気鉄道㈱ 上画像席執行役員不動産事業本部長 西原啓介氏のコメント
「当社は、2025年4月1日に東大阪・北大阪流通センターを運営する泉北高速鉄道株式会社と経営統合し、両流通センターのさらなる競争力向上と、サステナブルな公共交通の経営に向けて、経営資源を投入したいと考えています。現在、北大阪流通センターでは再開発を進めており、利便性の高い立地で、公共性の高いトラックターミナル機能を堅持しつつ、配送センター等の物流施設を集積することにより、関西圏におけるトップクラスの物流最適地になることを目指しています。本業務提携でTRC様の物流施設との幹線輸送経路を構築することにより、大阪における自動運転トラック等次世代モビリティの拠点として両流通センターのポテンシャルはさらに増すものと考えております。また、トラックターミナルに入居する運送事業者様が直面するドライバー不足等の社会問題解決に向けて、トラックターミナル事業者として貢献できるチャンスであり、これらの取り組みを通じて、今後も日本の物流機能を支える社会インフラとしての機能を果たしたいと考えています」

●㈱東京流通センター 常務取締役 吉竹宏樹氏のコメント
「当社は、高度経済成長期に発生した流通機能や都市機能の低下という社会課題を解決するために1967年11月に設立されて以来、当社の物流施設の持つ、都心への近さや物流に特化した周辺環境等の立地ポテンシャルと都市型物流に特化した高スペックな建物ポテンシャルを活かして、多くのテナント様の物流効率化に寄与してまいりました。本業務提携により南海電鉄様の持つ大阪の物流施設と連携し幹線輸送経路を構築することで、より大きなスケールと実効性をもって物流効率化を目指すことができるようになると考えています。また、自動運転トラックやダブル連結トラック等の次世代モビリティの活用や、貨物鉄道輸送等との連携により、その可能性はさらに広がると考えております。特に自動運転トラックに関しては、トラックドライバー不足という社会課題を解決するだけでなく、今後の物流のあり方に大きく変革を起こす技術であると考えています。本業務提携においては、高速道路上だけでなく一般道を含めた自動運転トラック輸送の実現を目指してまいります」
