SGホールディングス㈱(SGHD)は3月27日、グループ傘下の佐川急便㈱やSGリアルティ㈱と連携し、九州エリアにおける物流の効率化等を目的とした大型中継センターを福岡県糟屋郡で2028年6月に新設すると発表した。
物流業界では、「2024年問題」としてドライバーの時間外労働の上限規制による輸送能力の低下、「2030年問題」として労働人口の減少・高齢化率の高まりに伴う、ドライバーの大幅な減少が課題となっている。2030年には何も対策を講じなければ現在の輸送力の約34%が不足する可能性があるとの試算があり、その対応も急務となっている。
そうした将来懸念される状況に対して、荷物の積載効率向上によるトラック台数の適正化、安定した輸送品質、自動設備導入による作業効率化等を目的に、同社グループでは現在すでに、東京中継センター(仮称、東京都江東区)、関西エリア中継センター(仮称、兵庫県尼崎市)の2つの大型中継センターを建設している。
今回、福岡県糟屋郡に新大型中継センターを建設し、周囲に分散している中継センターを集約する。これによって宅配便ネットワークのさらなる効率化を推進する(4拠点+2拠点の一部の中継センターを集約)。
●新設中継センター概要


●九州中継センター新設による効果
九州中継センターの新設によって、中継拠点集約による効率化、労働環境の改善、ドライバー不足への対応を期待している。トラックの待機時間や荷物の積み降ろし時間の短縮に加え、積載効率の改善、トラック台数の適正化、それに伴うCO2排出量の削減等、物流の効率化を見込んでいる。また、建設予定地の福岡県糟屋郡は、九州自動車道・福岡ICから近く、福岡市内はもちろん、九州全域へのアクセスに優れ、広域輸送の利便性の向上を図ることができる。また、72時間の稼働を可能にする非常用発電設備の配備といった災害への対策のほか、自家消費型太陽光発電設備の設置による再生可能エネルギーの活用等も計画している。