㈱ハピネットは9月17日、同社子会社である㈱ハピネット・ロジスティクスサービスが物流業界の深刻な働き手不足に対応するため、23年ぶりに「ハピネット市川ロジスティクスセンター」のリニューアルを実施し、9月2日より稼働を開始したことを明らかにした。

市川ロジスティクスセンター外観

物流業界では深刻な“働き手不足”が続いており、特に物流倉庫が集中するエリアでは安定した労働力の確保が難しい状況で、同社物流倉庫も例外ではなかったとしている。同問題に対応するため、荷役作業の「省人化・自動化」を推進しているほか、玩具・模型玩具やビデオゲーム等のエンタテインメント商材を取り扱う市川ロジスティクスセンターは2001年10月からハピネットの物流機能の中心として稼働していたが、機械の老朽化により本来の能力が発揮できない状態だったとしている。

そのような背景から、さらなる「自動化・省人化・効率化」を実現することが必須と考え、同社がこれまで培ってきた「エンタテインメント物流」の経験を活かした新しい物流設備の導入と機械の入れ替えを実施した。

●ハピネット・ロジスティクスサービス コーポレートサイト
https://happinet-ls.com/

●リニューアルの3つの主なポイント
①ケース立体自動倉庫「ファインストッカー」の導入(㈱ダイフク)
スタッカークレーンが商品の入ったコンテナや段ボール箱直Dを棚に自動で運び、保管する自動倉庫。作業者の元に商品が搬送される、Goods To Personの考え方を実現した仕組みになっている。高さ5.5mの空間を有効活用可能で、労力と人員を削減するだけでなく、在庫管理精度の向上等にも繋がる。同社が導入した自動倉庫は最大2万2,000個のケースや折りたたみコンテナ(オリコン)を収納することが可能で、様々なサイズのケースやオリコンの格納に対応している。

ケース立体自動倉庫「ファインストッカー」

②ピースソーターの入れ替え(㈱椿本チエイン)
リニューアル前から使用しているピースソーター(リニソート)の入れ替えを実施し、178店舗分の仕分け作業を行うことにより、1時間あたり1万3,000個の商品を仕分けることが可能。商品のJANコードを自動で読み取る機能が追加され、作業の効率化・簡略化を実現している。

リニソート

③T-Carry systemとシャッターアソートシステムの併用(㈱椿本チエイン)
仕分け作業の効率化を図るため、商品を複数の小型AGV(無人搬送車)で搬送する自動出荷システム「T-Carry system」と、「シャッターアソートシステム」を導入した。小型AGVが作業者の元に商品を運び、作業者は出荷に必要な数量を「シャッターアソートシステム」に入れるため、繊細な商品の仕分け作業が可能になった。同時に180店舗分の仕分け作業を行うことが可能で、40台以上のAGVが9,000個の商品をステーション(=シャッターアソートステム)に運ぶ。

T-Carry system
シャッターアソートシステム

●ハピネット・ロジスティクスサービス 物流センターの省人化・自動化への取り組み
取り扱い商材の多様化や顧客からのニーズに高品質かつ迅速に対応するため、高速自動ピースソーターや協働型ピッキングアシストロボット、ロボット仕分けソータ、自動梱包機など先進的なソリューションを導入し、処理能力の向上に日々取り組んでいる。
詳細:https://www.happinet.co.jp/business/logistics.html