㈱東京流通センター(TRC)は11月1日、DBJ BCM格付でAランクおよび、DBJ Green Building認証で5つ星と、いずれも最高評価を取得したと発表した。

同社は1967年から50年以上にわたり、東京・平和島にて物流施設(総延床面積:約12万坪)を運営・管理しており、同社敷地内施設の再開発第2弾として、地上7階建(1~6階:倉庫+屋上駐車場)・免震構造のマルチテナント型物流施設「物流ビルA棟」(最小約144坪~1フロア約7,800坪、延床面積約6万1,000坪)を8月31日に竣工した。

「物流ビルA棟」

今回の具体的な評価ポイントは以下の通り。

(1)「DBJ BCM格付」Aランク取得
TRCは、㈱日本政策投資銀行(DBJ)が実施する「DBJ BCM格付」において、防災および事業継続への取り組みが特に優れているとして、最高ランク(Aランク)の評価を受けた。

◎評価ポイント
・中核施設である物流ビルA棟およびB棟への免震構造の導入等により強固なハード対策を実施するほか、テナントと共同で実施する防災訓練やTRC防災ガイドブックの公表、有事に対応可能な従業員の体系的な確保等を通じて自社および顧客の防災力を強化している点

・事業継続戦略の実現に向けて、全社的な危機管理体制を構築した上で部署ごとに精緻なリスク分析や事業影響度分析を実施していることに加え、段階的な目標復旧時間の達成のために業務フローごとに洗い出した網羅的なボトルネックを継続的に見直し、電力や人員、資機材といった経営資源の確保等の対策を講じている点

・意思決定訓練や役割に応じた個別訓練など階層別の事業継続訓練を定期的に実施し、協力会社とも連携しながら事業継続戦略の実効性を確認している点

◎評価を支えたTRCのBCP対応・環境への配慮
免震構造による地震対策、非常用発電機による停電対策や津波・大雨・台風対策、24時間365日の警備員・設備管理員常駐に加え、環境への配慮として壁面緑化や電気自動車充電スタンドを備えており、万一の際の事業継続性や将来の環境面に配慮した持続可能な物流拠点を構築可能。併せて、物流ビルA棟は国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン」に基づく第三者認証制度「BELS」にて★5を取得しており、環境への配慮を推進している。

(2)「DBJ Green Building 認証」の5つ星を取得
物流ビルA棟は、DBJが環境・社会への配慮が優れた不動産を認証する「DBJ Green Building 認証」において、最高評価である5つ星「国内トップクラスの卓越した環境・社会への配慮がなされたビル」の認証を取得した。

◎評価ポイント
・サンドイッチパネルの採用、LED照明および共用部照明への人感センサの設置、節水型の水栓および便器の導入等により、省エネ・省資源に配慮している点

・敷地内への利便施設の集積、施設内への休憩室・屋上アメニティスペース・コンビニの設置、EV車の充電スペースの確保等により、利用者の利便性・快適性に配慮している点

・免震工法の採用、浸水リスクを考慮した1FLの設定および特高受変電設備の2Fへの設置、大田区との帰宅困難者受入協定の締結等により、施設の防災性を高めている点

◎施設機能・取り組み
物流ビルA棟は、エントランス周辺へコインシャワーブース、オールジェンダートイレを設置したほか、屋上でのアメニティスペース設置に加え、1階を中心とした壁面緑化および屋上緑化等、2017年6月に竣工した物流ビルB棟には無かったアプローチでテナント従業員の利便性・快適性向上に配慮した。

●物流ビルA棟物件概要


●TRC周辺地図