GROUND㈱は10月2日、自社開発した物流施設統合管理・最適化システム「GWES(GROUND Warehouse Execution System:ジーダブリューイーエス)」の可視化・最適化モジュールを機械工具卸売商社大手のトラスコ中山㈱の最新鋭物流拠点「プラネット埼玉」および、2026年7月稼働予定の「プラネット愛知」に導入することを決定したと発表した。

●トラスコ中山の物流施設への導入内容
GROUNDは両施設に対して、物流データを統合管理する「Data Connector(DC)」に加えて、施設内の可視化・分析を支援する「Progress Analyzer(PA)」、「Workload Analyzer(WA)」、および時系列分析により将来の作業量を予測する「Workload Forecast(WF)」を実装する。さらに、数理最適化の技術を用いて独自開発した人員配置最適化モジュール「Resource Allocator(RA)」の新規実装も予定している。

GWES導入予定のトラスコ中山の物流施設

トラスコ中山が建設を予定している「プラネット愛知」では、顧客満足の最大化を図るべく100万アイテムの在庫保有と、1日に約10万行の出荷を計画、年間最大出荷金額は1,000億円を見込んでいる。そのため、同施設には「AutoStore(オートストア)」をはじめとした最新鋭設備が複数採用され、高密度かつ迅速にお客様にお届けするための体制が構築される。

しかし、その規模の大きさから、現場の管理監督者の判断のみで物量波動や作業進捗に応じたマテハンやヒトの稼働調整を行い、作業の遅延や特定の人員への負荷の集中等、多くの課題を回避することがより困難になると想定される。特に人員配置については、常時作業状況を把握しながら作業量の波動や複数のマテハンと人の作業の組み合わせを考慮し、リアルタイムに変更することが求められるとしている。

●数理最適化技術を実装した「GWES」の概要と特長
人員配置最適化機能は、過去の実績だけでなく当日の受注状況から総作業量を毎時見直し、高精度で作業量を予測。同時に、作業者の勤務時間やスキル、生産性等の情報を取り込み、数理解析により最適な作業者と作業の組み合わせを提示する。

「GWES」は物流DX促進に必要とされるWES(Warehouse Execution System:物流施設運用管理システム)として、ミドルウェアとなる共通データ基盤、AIを適用した各種機能モジュール群で構成されている汎用性・拡張性の高いパッケージシステム。メーカーを問わず、様々なハードウェア(マテハン・ロボット)やソフトウェア(倉庫管理システム・倉庫制御システム)とシームレスに連携することにより、デジタル化を推進し、物流施設全体の最適化や可視化の実現により作業生産性を向上させるとしている。