三井不動産㈱は4月18日、「三井不動産ロジスティクスパーク」国内新規6物件の開発を決定し、2023年度中に累計総投資額1兆円に到達する見通しを明らか発表した。同社は2012年からロジスティクス事業を拡大し、現在までの累計総投資額は約8,500億円となった。

開発施設数、総延床面積の推移(各年度)

また、先端技術を活用したDX施策、従業員満足度(ES)向上施策を推進するほか、同社事業において自ら商業施設やECサイトにてオムニチャネルを提供してきたノウハウを活かし、「EC特化型物流センター」を開設。業界のニーズに対応して数々の物流施設を開発・運営してきた実績、パートナー企業や荷主企業とのネットワークを活かし、労働力不足をはじめとする物流業界の課題解決のための取り組みを一層推進していくとした。

2024年問題をはじめとする諸課題解決に資する各施策

◎施策1
同社ではこれまでもDXを活用した物流事業のイノベーションを推進しており、物流DXの最先端機器体感ショールーム「MFLP ICT LABO」の開設や、物流総合コンサルティング会社「MFロジソリューションズ」の設立等、様々な取り組みを行ってきた。

今回、DXによる省力化・機械化ニーズに特化した専門部署として「イノベーション推進室」を新設。顧客の課題解決や物流戦略策定のサポートに以下の通り、より一層注力する。

(1)新サービス「MFLP &LOGI Solution」の提供開始
同日より物流コンサルティングプラットフォーム「MFLP &LOGI Solution」の提供を開始。同サービスでは、まず顧客の課題を洗い出し、次に約50社のサポート企業と連携し、各社の最先端技術を結びつけることで、最適なソリューションを提案する。

●「MFLP &LOGI Solution」
https://mflp.mitsuifudosan.co.jp/andlogi/

(2)倉庫作業の大半を自動化した「EC特化型物流センター」を開設
2022年11月、三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall(アンドモール)」の物流拠点として、自動化機器を導入した「EC特化型物流センター」を「MFLP船橋Ⅲ」内に開設し、自社利用を開始している。

今後、他のEC事業者に対して同拠点の共同利用を提案することも予定しており、同取り組みを通じてMFLPをより付加価値の高い倉庫賃貸アセットへ進化させていくとした。

(3)将来的なドローン配送を見据えた賃貸用 R&D 区画の整備
「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」では広大な敷地を活かしたドローン飛行用のフィールドと、倉庫の一部スペースをドローン事業者等への賃貸用R&D区画として整備し、ドローンによるラストワンマイル配送や災害時の支援物資搬送等実証実験の場を提供し、物流におけるドローンの実用化を目指す。

◎施策2
国内新規6物件の開発決定により、同社のロジスティクス事業として開発する施設は、竣工稼働施設が国内43物件・海外1物件・延床面積約370万㎡に、開発中施設の国内15物件・海外3物件を合わせて計62物件、総延床面積は約530万㎡となる。

①「三井不動産ロジスティクスパーク船橋南海神」 千葉県船橋市 2027年1月竣工予定
②「三井不動産ロジスティクスパーク入間Ⅰ」 埼玉県入間市 2025年7月竣工予定
③「三井不動産ロジスティクスパーク入間Ⅱ」 埼玉県入間市 2026年6月竣工予定
④「三井不動産ロジスティクスパークつくばみらい」 茨城県つくばみらい市 2025年2月竣工予定
⑤「三井不動産ロジスティクスパーク尼崎Ⅰ」 兵庫県尼崎市 2025年5月竣工予定
⑥「三井不動産インダストリアルパーク海老名」 神奈川県海老名市 2026年6月竣工予定
国内外開発施設(2023 年 4 月 18 日時点)
物件数:国内58物件、海外4物件、計62物件 ※今般発表の6物件を含む(竣工稼働施設:国内43物件・海外1物件)
総延床面積:約530万㎡(竣工稼働施設:約370万㎡)
累計総投資額 約 8,500 億円(2012年4月事業開始以降)