セイノーホールディングス㈱(セイノーHD)と傘下の西濃運輸㈱は6月17日、(一社)日本物流団体連合会が主催する「第26回物流環境大賞」において、「先進技術賞」と「奨励賞」をそれぞれ受賞したと発表した。

なお、西濃運輸では、第21回物流環境大賞にて最も優秀な取り組みに授与される「物流環境大賞」を受賞している。

●受賞内容
◎先進技術賞:条件不利地域の物流課題を解決する共同配送の取り組み
中山間地域に位置する山梨県北都留郡小菅村・丹波山村は人口減少に伴う地域商店の閉店等、買い物もままならないという地域課題を抱えていた。物流各社においても、各社の物流拠点から長距離を運転し、各戸へ個別配送しており、不効率な配送を行っていたとしている。

そのような課題を解決するため、セイノーHDは小菅村、丹波山村、㈱NEXT DELIVERY、佐川急便㈱、富岳通運㈱、福山通運㈱と連携し、物流各社の配送を集約する共同配送や、軽車両やドローンを活用した買い物代行・フードデリバリーといったサービスを提供する「新スマート物流」を両村に導入し、物流効率化とそれに伴うCO2排出削減、買い物不便という地域課題の解決につなげたとしている。

条件不利・物流困難地域で全般的な物流サービスを維持するため、ドローンを積極的に活用し、実験・試行を重ねながらドローンの活用を牽引し、全国各地にも広めている点が評価され、7社連名で受賞した。

小菅村の新スマート物流の概念図

◎奨励賞:富山県からの各拠点配送への輸送モード変更
西濃運輸と日本曹達㈱は、日本曹達の製品輸送において、日本曹達高岡工場(富山県)から各地への輸送を、トラックによる貸切輸送から鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトを実施した。

この取り組みにより、2024年問題に対応する輸送力の安定確保やCO2排出削減につなげたことに加え、日本曹達でそれまで多くの時間・手間を要していたトラック確保業務の省力化の効果につなげたことも評価され、2社連名で受賞した。