NIPPON EXPRESSホールディングス㈱のグループ会社である日本通運㈱は6月16日、(一社)日本物流団体連合会主催の第26回物流環境大賞表彰において「物流環境大賞」、「先進技術賞」、「奨励賞」を受賞したと発表した。
●物流環境大賞
案件名:青森県産りんご モーダルシフトの取り組み
受賞者:日本通運㈱、つがる弘前農業協同組合、日本貨物鉄道㈱
概要:JAつがる弘前から全国へ発送されるりんごをトラック輸送から鉄道輸送へ切り替えた大規模なモーダルシフト案件。同りんごはブランド力を活かして全国各地に出荷されているが、その遠距離輸送の安定性を将来にわたって確保していくため、荷主・物流事業者が一体となってこの取り組みを推進した。北海道から九州に至る遠距離の輸送比率が高いため、トラック輸送と比較し、CO2排出量約87%削減を達成した。また、鉄道の輸送障害に備え、日本通運のモーダルコンビネーションサービスであるSea&Rail輸送網も活用し、関西-九州間で船舶を一部利用している。

●先進技術賞
案件名:NXスーパーエクスプレスカーゴ
受賞者:日本通運㈱、㈱ジェイアール東日本物流
概要:JR東日本物流が提供する新幹線荷物輸送サービス「はこビュンQuick」と、日本通運の集配ネットワークを組み合わせた即日配達サービス。自動車や航空機に加え、新たな即日輸送の手段として注目されており、小口貨物分野における環境負荷の低減が期待されている。サービスの対象エリアは、JR東日本新幹線の主要駅(東京、新青森、盛岡、仙台、新潟、長野、金沢等)相互間。10kgの荷物を輸送した場合、トラック輸送と比べてCO2排出量を4.3kg、約94%削減できる見込み。

●奨励賞
案件名:愛知県~福岡県、広島県、山口県の自動車用塗料の鉄道輸送への転換(ISOタンク利用)
受賞者:日本通運㈱、日本ペイント・オートモーティブコーティングス㈱
概要:物流2024年問題、カーボンニュートラルへの対策から、高浜工場-九州・中国地区向けのモーダルシフトに取り組んだ案件。貨物駅での一時保管サービスを活用することにより、従来のタンクローリ輸送時には難しかった、納入の急な延期等にも柔軟に対応することが可能となった。取り組みに際して、荷主・納入先を含めた関係者間で綿密な調整を行った上で実現に至った。同取り組みにより、CO2排出量が235t、71%の削減が可能となる。

●奨励賞
案件名:NXダイレクトコンソリデーションサービス~内航船を利用した九州、山口地区発の輸出混載貨物の新サービス~
受賞者:日本通運㈱
概要:北米、欧州向け輸出混載貨物を対象中心に、従来、博多港から神戸港までトラックで転送していた貨物を、博多港-東京港の内航船にモーダルシフトした。この取り組みにより、環境負荷の低減だけでなく、リードタイムの短縮や、海外港での中継回数の減少による輸送品質の向上、さらに30%以上のコスト削減も実現した。同サービスでは、従来と比べて年間8t、77%のCO2排出量削減が可能となる。

●奨励賞
案件名:NXダイレクトフィーダー~内航船で輸入貨物を地方港まで海上輸送~
受賞者:日本通運㈱
概要:輸入貨物を対象に、従来、陸上ドレージ輸送されていた貨物を、日本通運が手配する内航コンテナ船(東京港-仙台港など)を利用して輸送するモーダルシフトを実施した。輸入貨物の国内輸送は、輸入者側で手配することが多いことを利用し、NXグループの国内ネットワークで最終配達先まで一貫して輸送が可能。従来、使用後の空バンを京浜港へ返却する必要があったが、この取り組みにより地方港での返却が可能となった。同サービスを利用することで、東京港から山形市へドレージ輸送した場合と比較し、約1t、59%のCO2排出量削減となる。
