三菱ふそうトラック・バス㈱(三菱ふそう)、三菱自動車工業㈱(三菱自動車)、米国Ample Inc.、ヤマト運輸㈱の4社は6月6日、バッテリ交換式電気自動車(EV)とバッテリ交換ステーションの、物流事業者の業務における実用性に関する実証を、2025年9月から東京都で実施すると発表した。
同実証では、150台超のバッテリ交換式EVと14基のバッテリ交換ステーションを使用。同実証は東京都および東京都環境公社の2024年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択されている。
●実証実験概要
実証開始時期：2025年9月
車両台数：150台超 ※実証期間中に順次拡大
バッテリ交換ステーション数：14基（予定） ※実証期間中に順次拡大
場所：東京都内の複数箇所
参加企業の役割
三菱ふそう：EV小型トラック「eCanter」バッテリ交換式車両の企画・提供・整備
三菱自動車：軽商用EV「ミニキャブEV」バッテリ交換式車両の企画・提供・整備
Ample：バッテリ交換ステーションの設置・運用
ヤマト運輸：集配業務でバッテリ交換式EVを使用
検証内容
（1）バッテリ交換式EVの大規模運用
（2）バッテリ交換ステーションにおける異なるブランド・サイズの車両の運用
（3）集配業務における実用性や車両性能
（4）内燃車、充電式EVと比較した経済合理性
（5）交換式バッテリEVの運用における各種基礎データの取得
バッテリ交換式EVは、従来の充電方法と比べて車両の待機時間を大幅に短縮することが可能。同実証では、バッテリ交換ステーションを設置し、バッテリ交換を全自動で行う。バッテリ交換の目標時間を5分間に設定しており、物流のダウンタイム短縮につながるほか、バッテリを手動で交換する必要がないため、ドライバーの負担軽減にもつながる。Ampleのバッテリ交換ステーションは、コンパクトかつ短期間で組み立てが可能なため、東京都のような高密度な都市環境においても効率的なインフラ整備を実現し、実用的なEVシフトのソリューションとなり得る。
以前から実証を行っていたMFTBC、Ample、ヤマト運輸に加え、今回、2011年に軽商用EVであるワンボックスタイプの「ミニキャブ・ミーブ（現ミニキャブEV）」を市場投入し、長年の知見と経験を有している三菱自動車が参画することで、さらに幅広い物流事業者のニーズに応えます。
4社は同実証を通じて、バッテリ交換式EVの実用化と商用EVのさらなる普及に向け、バッテリ交換技術の確立および運用基盤の構築を目指す。さらに、温室効果ガス排出量の削減に向けてバッテリ交換ステーションでの再生可能エネルギー由来電力の使用を検討する。
●参画パートナー募集
同実証の開始にあたり、実証に参画する車両メーカーや物流事業者等のパートナーを募集する(※)。
※参加を検討・希望する場合、fleet@ample.com まで要連絡。
ヤマト運輸は2022年以降、複数の車両メーカーとバッテリ交換式EVの規格化・実用化に向けた検討および実証を行ってきたほか、三菱ふそう、Ample、ヤマト運輸は2024年8月から11月まで、京都府京都市でAmpleのバッテリ交換ステーションおよび三菱ふそうのバッテリ交換式の「eCanter」を使用した、集配業務における実用性の実証を実施した。目標としていた車両品質を確認できたほか、運用方法のノウハウの蓄積や、車種や車両ブランドを問わずバッテリ交換ステーションが共用できる点を検証した。
