福山通運㈱は12月17日、セイノーホールディングス㈱(セイノーHD)と㈱T2が計画している関東・関西間高速道路一部区間で実施する自動運転トラックを用いた幹線輸送(※1)の実証実験に参加すると発表した。

福山通運千葉八千代支店とT2トラック

同実証は、レベル4自動運転(※2)トラックによる幹線輸送実現に向け、運送業界における大きな拡がりとなる。

昨今、トラックドライバーの労働時間見直しに伴うトラック輸送能力の低下が社会課題(物流の
2024 年問題)となっており、ドライバー不足は深刻な問題となっています。

福山通運は持続可能な物流の実現に向けて、陸送を長距離フェリーや鉄道に置き換えるモーダルシフトの推進、輸送生産性を向上させるための新技術の導入の検討等、様々な課題に対して施策を講じており、Value Chain Innovation Fund(※3)への参画を機に、同ファンドのアンカーLPであるセイノーHDと同様に、自動運転トラックの技術・事業開発を行うT2と共に同実証に取り組むこととなった。同実証を通して、運送オペレーションノウハウと自動運転技術を掛け合わせた新たな運送モデルを創造し、2027年にはレベル4自動運転トラックを活用した幹線輸送の実現を目指している。

今回、福山通運が同実証に参加することにより、自動運転トラックを活用した幹線輸送の実現が大きく前進することとなる。持続可能な物流を実現したいという3社の想いにより、より多くの条件下の公道で、事業化に向けた知見の獲得や改善点の洗い出しを加速する。また、福山通運とセイノーHDは、「自動運転トラック輸送実現会議~L4 Truck Operation Conference~」(※4)に参加している。

※1:幹線輸送:周辺エリアの大量の荷物を集めた拠点から、他のエリアの集積拠点まで大型トラックなどで輸送すること
※2:レベル4自動運転:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
※3:Value Chain Innovation Fund:2023年10月にT2が実施したシリーズA追加ラウンドでの第三者割当増資の引受先
※4:L4 Truck Operation Conference:2024年11月6日発表 https://t2.auto/news/1106.pdf

●実証実験概要
期間:2025年1月~2025年6月
場所:関東~関西
東名高速道路、新東名高速道路、伊勢湾岸道、名神高速道路、新名神高速道路および京滋バイパスを走行予定。
各社の役割
○福山通運とセイノーHD:荷主企業として自動運転トラックの輸送オペレーションを検討・評価
○T2:自動運転トラックの輸送オペレーション構築検討と現場オペレーションの実行
実証内容
○トラックレベル4自動運転に向けた高速道路上での自動運転
○貨物を積載した幹線輸送における自動運転の路線検証
※すべての実証実験はドライバー乗車の上、レベル2相当で行う。

左よりセイノーホールディングス 執行役員 河合秀治氏、福山通運 代表取締役副社長の熊野弘幸氏、T2 代表取締役CEOの森本成城氏