大和ハウスグループで分譲マンション、賃貸マンション、ビル・商業施設、ホテルなどの建物管理サービスを提供する大和ライフネクスト㈱は11月11日より、物流業界におけるラストワンマイル問題の解決およびマンション居住者の利便性向上を目指す新たな取り組み「マンション内配送サービス」の実証実験を都内のマンションで開始した。なお、同実証実験には、日本郵便㈱、ヤマト運輸㈱、佐川急便㈱が参画する。
●実証実験イメージ動画
https://youtu.be/fKA5l66ErCw
近年、多様化するライフスタイルとともにインターネット通販等EC市場が拡大し、宅配便の取り扱い個数は年間約50億個に上る一方、CO2排出量の増加やドライバーの人員不足につながる「再配達」が深刻な社会課題となっており、2023年6月の関係閣僚会議で取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」には、2024年度中に再配達率6%目標が盛り込まれているが、今年4月時点のサンプル調査では10.4%(※)と、目標達成に向けた取り組みの実施が急務と同社は指摘している。
※参考:国交省HP
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/re_delivery_reduce.html
分譲マンションでは、共有スペースにおける宅配ボックスの設置や置き配の活用など再配達率削減への取り組みが進んでいるが、居住者の不在時に「宅配ボックスの空きがない」「マンションセキュリティ内に入れず置き配ができない」等の理由から再配達の増加につながっている。また、居住者にとっても「インターホン鳴動から訪問までの待機時間が長い」「宅配ボックスが埋まっていて荷物が受け取れない」等の不便さ、課題が指摘されている。
そこで大和ライフネクストは、再配達率の削減と居住者の利便性向上を目指す新たな配送の仕組み「マンション内配送サービス」を考案し、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の協力のもと、実証実験を実施する。
●「マンション内配送サービス」の仕組み
◎配達の流れ
①マンション管理員が宅配会社(日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便)の荷物を全住戸分一括(※)で受け取りる。荷物はマンション内に設置する専用倉庫に納品される。
②マンションを熟知した管理員が、宅配会社に代わって各住戸に荷物を配達する。居住者が不在のため玄関先で渡せなかった荷物は、マンションごとの管理ルール内で宅配ボックス・置き配を積極的に活用することで、効率的な配送と再配達ゼロを目指す。
③上記の方法でも配達できなかった荷物は、管理事務室および専用倉庫で一時的に保管する。それらの荷物は、管理員の業務時間内であれば管理事務室(受付)でいつでも受け取ることができる。(宅配ボックスへの配達時と同様に、不在票を投函し居住者に知らせる)
※冷蔵・冷凍・代引・郵便物(書留含む)・貴重品便等の一部の荷物を除く居住者
◎本取り組みが目指すゴール
◎配送管理アプリ(開発中)
管理員は、大和ハウスグループのモノプラス株式会社と開発中の専用アプリを使用し「宅配会社からの荷物の受け取り」および「居住者への荷物の配達」の記録を行う。
◎実証実験について
期間:2024年11月11日(月)~2025年1月末(予定)
場所:東京都中央区内の分譲マンション(約200戸)