F-LINE㈱と㈱T2は10月22日、2025年2月から、T2が開発した自動運転トラックを用いた幹線輸送(※1)の実証実験を、関東・関西間の高速道路一部区間で実施すると発表した。同実証では、将来に向けてレベル4自動運転(※2)トラックを活用する上で最も効果的な輸送オペレーションの構築を検討することを目的としており、レベル2自動運転(※3)トラックを使用する。

F-LINE西宮でのT2トラック
T2代表取締役CEOの森本成城氏(左)、F-LINE 代表取締役社長の坂本次郎氏(右)

味の素㈱、ハウス食品グループ本社㈱、カゴメ㈱、㈱日清製粉ウェルナ、日清オイリオグループ㈱を株主とするF-LINEは、大切な商品を顧客に確実に届けるために培った、加工食品物流ならではの「機能」「付加価値」「ノウハウ」を生活周辺産業全体に拡げて、未来に向けて新しい物流の実現を目指している。そこにT2が開発を行っている自動運転トラックのスキームを活用し、両社で加工食品業界における日本の食の安定供給を目指した新たな輸送形態の協創を目的として、同実証の開始に至ったとしてる。

同実証を通してF-LINEとT2は、レベル4自動運転トラックを活用した幹線輸送の実現を目指し、物流業界が抱えるドライバー不足、物流の「2024年問題」および環境負荷低減等の社会課題解決に貢献するとしている。

●実証概要
時期:2025年2月~
場所:関東~関西間の高速道路上の一部にて実施
<往路>:F-LINE川崎物流センター→F-LINE西宮物流センター間
<復路>:F-LINE八尾物流センター→F-LINE三郷物流センター間
役割:F-LINE:拠点、ルート、実証貨物の提供
   T2:全体マネジメント、実験用車両の提供
積載:F-LINE株主製品を予定
検証内容 (すべての実証はドライバーが乗車し、レベル2相当で実施)
・貨物を積載した幹線輸送における自動運転の走行ルート及び走行リードタイム検証
・想定したオペレーションパターンの有効性検証

※1:幹線輸送:工場で生産された商品を全国の配送拠点に主要な輸送ネットワークを通じて効率的に運ぶこと。

※2:レベル4自動運転:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。

※3:レベル2自動運転:ドライバーの監視のもとに行われる、特定条件下での高機能自動運転。
  参照:https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf

●F-LINE㈱ 代表取締役社長 坂本次郎氏のコメント
ドライバー不足が顕在化する中、我々の日々の生活を支える加工食品をお客様に安定して届け続けるために、自動運転トラックは有力な手段の1つになると考えております。今回T2様と実証実験を開始し、持続的な加工食品物流の新たな基盤づくりを目指していきたいと考えております。

●㈱T2 代表取締役CEO 森本成城氏のコメント
F-LINE様には「日本の物流を共に支える」という大義に共感いただき、共同実証を進められることを大変嬉しく思うとともに、T2も日本の食の安定供給に協力できることを誇りに思います。本実証を有意義なものとし、社会課題解決に貢献するため、2025年7月のレベル2自動運転トラックでの幹線輸送サービス、そして2027年のレベル4自動運転トラックでの幹線輸送サービスのスタートに向けて尽力してまいります。