パナソニック ホールディングス㈱(パナ)、東急㈱、(独法)都市再生機構(UR)は10月9日、2024年10月からは川崎市との連携・協力のもと、UR都市機構が所有する川崎市麻生区のUR虹ヶ丘団地敷地内において空中配送ロボットが前回の実証実験の配送ルートから分岐し、同団地敷地内の同市が管轄する「川崎市道」を横断、延伸する形で実証実験を実施すると発表した。

同団地敷地内では、2023年11月から2024年6月まで配送業界における人手不足等の社会課題の解決や少子高齢化が進行する郊外住宅地における買い物の利便性向上とコミュニティの形成による地域活性化を目指し、世界初となる郊外住宅地での空中配送ロボット技術を活用した新たな配送サービスの実証実験(※1)を実施した。

今回は首都圏の行政と連携し、空中配送の実証実験を行う初の取り組みとなり、3社は今後「街のインフラ」となる将来像に向けた重要な第一歩にもなるとしている。

前回の実証実験写真

また、市道を横断する今回のルートは、UR虹ヶ丘団地の団地内集会所の入口まで配送を行うことで、さらなる利用者の利便性の向上を図る。これにより、集会所を活用している住民もサービスを利用しやすくなり、集会所を利用したコミュニティ活性化への寄与も期待される。さらに、集会所内に設置する会員登録不要のタッチパネル端末からの注文受付も開始すると同時に、支払い方法の見直しを行い、これまでのクレジットカードや一部の電子決済に加えて、現金の取り扱いを開始する。これにより、幅広いユーザーに多様な場面での利用促進が可能にし、これまで以上に身近で便利なサービスを目指すとしている。

川崎市道横断イメージ(CG)
集会所受取場所イメージ(CG)

●今回の実証実験の概要
実証実験の目的
・新ルートの配送実施に必要な技術の検討
・将来的な社会実装に向けた行政との連携手法の検討
・新たな市場ニーズの検証
実証実験内容
①空中配送ロボットの川崎市道横断とそれに伴う関連技術の検証
②配達先の拡充(団地集会所まで配達)
③注文方法、支払い方法の拡充(タッチパネル端末での注文受付、現金支払を追加)
実施場所:川崎市麻生区虹ヶ丘2丁目 UR虹ヶ丘団地内
実施期間:2024年10月下旬~2024年12月下旬
※上記期間での不定期運行。2024年11月9日に虹ヶ丘団地で開催される「第3弾 虹のまちにわフェス」(※2)で、空中配送ロボットを運行する予定で、一般見学が可能としている。
連携自治体:川崎市[道路占用(※3)許可権者]
実証実験協力企業:㈱東急ストア、東急バス㈱、㈱URコミュニティ、㈱吉野家

※1:「パナソニック ホールディングス、東急、UR都市機構が空中配送ロボットの実証実験に関する連携協定締結」として2023年11月に発表した。(世界初:配送ロボットの方式において、2023年11月6日現在 パナソニック ホールディングス調べ)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn231106-1

※2:「虹のまちにわフェス」とは、UR都市機構が、2024年に市制100周年を迎える川崎市と連携して、団地および周辺地域の住民に楽しんでもらうため、UR虹ヶ丘団地の中央広場で開催するイベント。
イベント日時:2024年11月9日(土)11:00~15:00(※雨天時は翌日に順延)

※3:道路占用とは、道路の地上や地下、空中などに一定の物件や施設を設置し、一般交通以外の目的で継続的に使用することを指す。道路を占用するには、道路管理者の許可(道路占用許可)を得る必要がある。