ヤマト運輸㈱は9月30日、観光客の快適な旅行の実現と観光施設スタッフの業務負荷軽減を目的に、2024年10月1日から全国のホテルや空港などの観光施設を対象に、スマホで送り状の発行ができる「簡易伝票発行ツール」の提供を開始すると発表した。2024年10月末までに全国約300か所に導入する予定としている。
日本政府は、「持続可能な観光地域づくりの体制整備」「インバウンド回復」「国内交流拡大」という目標を掲げ、観光立国の実現に向けた政策を推進している。2023年の日本人国内旅行消費額は21兆8,802億円(※1)に上り、コロナ禍前の水準に戻りつつあるほか、訪日観光客の旅行消費額は5兆3,065億円(※2)と過去最高を記録する等、日本における観光需要は増加している。
一方、大きな荷物を持った観光客の増加による混雑や、宿泊施設では荷物の一時預かりや発送業務の増加による受付業務の負担が大きくなる等、多くの問題が発生している。
ヤマト運輸は、駅や観光スポット周辺での手荷物の一時預かり等、手ぶら観光を支援するサービスの提供を通じて、快適な旅行の実現に貢献してきた。2023年からは、スマホで送り状の発行ができる「簡易伝票発行ツール」を一部の観光施設に導入し、実用化に向けた検証を行ってきた。
今回、検証で得られた成果を踏まえて2024年10月1日から、全国の観光施設に提供を開始する。
●「簡易伝票発行ツール」概要
提供開始日:2024年10月1日(火)
対象商品:宅急便・空港宅急便(クール宅急便、着払い等は不可、届け先は日本国内に限る)
導入場所:ホテル・空港等の観光施設
●ツール導入と利用の流れ
[導入施設のメリット]
①申し込みから約2週間で利用開始(※3)可能。また、設置する端末は小型のため、小スペースで利用できる。
②専用WEBサイト上で送り状の発行手続きが完結するため、受付での送り状発行にかかわる案内が省略でき、受付の混雑緩和や受付スタッフの業務負荷軽減につながる。
[利用者のメリット]
①受付に並ぶ手間がなく、好きな場所・タイミングで送り状の発行手続きができり。また、一度に複数枚の送り状が発行できるため、複数の荷物を送りたい場合は特に便利。
②送り先がホテルの場合は、電話番号を入力するだけで、送り先情報が自動表示されるため、複雑な情報入力が不要。また、送り先が空港の場合、空港カウンターの一覧から選択できる。
③専用WEBサイトは日本語と英語に対応しているため、外国人の旅行客でもスムーズに利用できる。
●送り状発行の流れ(イメージ)
●専用WEBサイトの操作(イメージ)
●今後の展開
旅行客のニーズに合わせて導入場所や対応言語を拡大し、観光客のより快適な旅行をサポートするほか、オーバーツーリズムの解消に貢献する。
※1:国土交通省観光庁:旅行・観光消費動向調査2023年年間値
URL:https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics02_00005.html
※2:国土交通省観光庁:訪日外国人消費動向調査2023年年間値
URL:https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics02_00004.html
※3:「簡易伝票発行ツール」の利用には月額費用が発生する