NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は6月26日、グループ会社の日本通運㈱が(一社)日本物流団体連合会主催の第25回物流環境大賞表彰で、「サステナブル活動賞」「低炭素物流推進賞」「特別賞」をそれぞれ受賞したと発表した。

●サステナブル活動賞
案件名:建材端材の複数品目同時回収(石膏ボード・グラスウール・岩綿吸音板端材再資源化)
受賞者:日本通運㈱
概要:建設現場において、埋め立て処分をしていた建材端材の一部品目を、建材端材専用の回収容器「NRBOX」を利用して回収し、広域認定制度(※1)を活用し、建材原料として再資源化した。「NRBOX」は観音開きタイプのかご台車で、積み込み時に中身が一目で分かるため、品目ごとの分別を確実に実施することが可能。これにより、現場での建材端材の管理・回収が可能となり、回収した端材はすべて広域認定制度に基づき各メーカーの工場で水平リサイクルされる。異なる品目の建材端材を1つの車両でまとめて運搬し、回収車両台数を削減することでCO2排出量を削減する。今後、建材端材の回収現場を拡大し、さらなる環境負荷低減に貢献する。

※1:広域認定制度:建材メーカー等が環境大臣の認定を受けて自社製品が廃棄物となったもの(製品端材等)を広域的に回収し、製品原料等にリサイクル又は適正処理する制度

NRBOX
グラスウール積載状態

●低炭素物流推進賞
案件名:建築現場のプレキャストコンクリート部材輸送における鉄道輸送の導入
受賞者:大成ユーレック㈱、日本貨物鉄道㈱、日本通運㈱
概要:埼玉県にある大成ユーレックの工場で作られた階段や柱といった建築資材のプレキャストコンクリート(※2)部材輸送を、従来は大型トラックで実施していた。これを12ftコンテナに収まるサイズ、重さで製造してコンテナに格納し、全国の建設現場に鉄道輸送することでCO2排出量を削減した。今後も全国各地の建設現場に12ftコンテナでの鉄道輸送を進めるほか、同社所有の20ft専用コンテナの開発にも着手して鉄道輸送の割合を増やし、さらなるモーダルシフト推進に向けて取り組んでいく。

※2:プレキャストコンクリート:あらかじめ工場で作られたコンクリートのこと。輸送時間を加味しても、現地で作るより施工時間が短く済むメリットがある。

積載時の様子

●特別賞
案件名:「プロテクトBOX with Fresh Logi」によるエコな保冷輸送の実現
受賞者:日本通運㈱
概要:日本通運の企業向け小口貨物輸送商品「プロテクトBOX」に、断熱材を使用した保冷輸送容器「Fresh Logi」をはめ込み、貨物の温度を一定時間保ったまま輸送できるサービスを開発した。蓄冷剤やドライアイスを使用せず、予冷された貨物から出る冷気のみでBOX内を低温に保つことができ、冷蔵冷凍の設備が不要になることで、輸送時のCO2排出量削減に貢献する。

Fresh Logi
プロテクトBOX