NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は6月17日、グループ会社の日本通運㈱が2024年6月から東京発、北海道向けの医薬品海上輸送サービスを拡充したと発表した。
北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1(※1)を海上輸送(北海道航路:東京発苫小牧向け)に切り替える。モーダルシフトを加速し、2024年問題に対応したさらなるサービスの安定供給と、CO2排出量の低減に取り組むとしている。
●サービス概要
これまで、東京から北海道への医薬品輸送は、トラックで八戸港や青森港まで運び、ドライバーもフェリーに乗船、苫小牧港や函館港に到着後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的だった。新たに6月から開始したサービスでは、東京港から貨物を積んだトラックのみをRORO船(※2)に乗せ(無人航送、製品の積み替えは不要)、苫小牧港で下船後、苫小牧支店の自社ドライバーが道内の輸配送を担当する。また、室温(15~25℃)と保冷(2~8℃)の2つの温度帯の輸送にも対応し、輸送中の温度、位置、物流ステータス等のデータもタイムリーに提供することが可能としている。今後、北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1を本サービスに切り替える。
●モーダルシフトによる効果
・輸送の選択肢を増やすことで、医薬品の安定供給に貢献
→ 悪天候等により、高速道路や鉄道が使用できない場合のBCPとして活用可能
・トラックドライバーの負担軽減により労働環境を改善し、持続可能なサービスを提供
・これまでのトラック輸送サービスと比較して、CO2排出量を60%以上削減(※3)
※1:日本通運の東日本医薬品センターから北海道向けに発送される医薬品の取り扱い3分の1を対象
※2:「RORO」は「Roll on Roll off」の略称で、トラックの乗り込み=Roll on(ロールオン)と下船=Roll off(ロールオフ)の意味。貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶のこと
※3:NXグループのCO2排出量可視化ツール「エコトランス・ナビVer2」による試算