三井倉庫ホールディング㈱は12月19日、 フォスター電機㈱、両備ホールディングス㈱ 両備トランスポートカンパニーおよび岡山土地倉庫㈱の3社と、12月4日に国土交通省が発表した「令和5年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」で「特別賞」を受賞したと発表した。

●表彰式の様子

左から、岡山土地倉庫㈱ 営業部 営業企画室 室長代理の槙田剛之氏、フォスター電機㈱ 上席執行役員 営業本部長の高原泰秀氏、グリーン物流パートナーシップ会議事業推進委員会 委員長の杉山雅洋氏、三井倉庫ホールディングス㈱ 執行役員の伊藤智光氏、 両備ホールディングス㈱両備トランスポートカンパニー 事業戦略本部 シニアリーダーの関根勇介氏

●受賞案件の背景・概要
本取り組みは自動車工場向け部品物流において、検品倉庫・仕出し・仕向け港変更等の国際一貫物流スキームの変更により、 物流CO2及びドライバーの拘束時間を削減できた事例。従来、フォスター電機はミャンマーのヤンゴン港から名古屋港まで海上輸送を行い、名古屋港で陸揚げされた貨物を三重県伊賀市まで運び、 物流センターで検品、通い箱への詰め替えを実施してから、客先である岡山市の自動車工場向けへ部品を納入していた。自動車部品物流においては、通い容器を使用した物流となることから、片道270kmの距離であっても、必ず往復輸送が発生し、環境負荷が大きいことやドライバーの拘束時間が長くなることも課題となっていた。

今回、製品出荷元からの輸送スキームを全面的に見直し、より製造工場に近いティラワ港発神戸向けの船を選択、 かつ神戸から内航船に積み替えて、水島港へ輸送し、水島港内の倉庫にてデバン、検品、通い容器詰め替え作業を実施し、 客先門前倉庫へ納入するスキームへ変更した。このため、客先工場至近の岡山土地倉庫(水島港内)に検品機械ごと移管し、作業員への検品トレーニング等も実施した。結果的に、ミャンマー国内、日本国内ともに陸送距離が大幅に縮まったことより、CO2排出量・ドライバー拘束時間の削減を達成した。

案件全体図

●本案件の特徴・物流改善効果
本取り組みの特徴・物流改善効果は以下の通り。

○地方港の積極的活用による、国内長距離輸送の削減。
○納入頻度アップによる検品納期平準化(現場負荷軽減)。
○国内検品倉庫の変更等、イニシャルコストや品質維持に注意をしつつ、切れ間のない自動車部品物流のスキーム変更に成功。
○ミャンマー側工場からの国際一貫輸送全体のCO2排出量把握のため、三井倉庫SustainaLink(※)サービスによる国際規格(GLEC Framework) ベースでの精緻な物流CO2排出量の把握を実施。
○国際一貫輸送での年間CO2削減効果:61.2t-CO2(34%)減
(うち、日本国内における 年間CO2削減効果:54.7t-CO2(90%)減)
○ドライバー拘束時間削減効果: 1,024時間(80%)減

※SustainaLink(サステナリンク)
同社グループの豊富な物流ノウハウを生かし、環境、労働力、 災害にまつわるリスクに対応した幅広いメニューを提供するサービス。 日系物流企業初の物流CO2算定におけるISO14083:2023に対応したCO2算定サービス等、 顧客が抱えるそれぞれの課題に応じた物流リスクの見える化や改善を通じて、 サステナブルな物流体制の構築を支援している。