SBSホールディングス㈱は7月10日、SBS東芝ロジスティクス㈱が6月27日、(一社)日本物流団体連合会が主催する「第24回 物流環境大賞」で、「サステナブル活動賞」と「特別賞」を受賞したと発表した。

受賞の記念フォト

物流環境大賞は、物流における環境保全の推進や環境意識の高揚等を図ることを目的とし、2000年から行われている表彰制度。同社は昨年に引き続き、2回目の参加となる。

今年度は環境保全に資する優れた取り組みを行い、サステナブルな社会の実現に貢献し優れた改善事例に贈られる「サステナブル活動賞」を昨年に続き受賞。また、環境保全の推進と環境意識の高揚等を図り、物流の健全な発展に貢献した事業者に贈られる「特別賞」2件の合計3件が受賞した。

●受賞テーマ
・サステナブル活動賞

◎工業用マグネトロンDFL(Design for Logistics「物流を配慮した製品・包装設計」)アプローチによるサステナブル包装の取り組み

精密機器である工業用マグネトロンの包装箱について、包装材のコスト高、作業工数増加、緩衝材プラスチック使用、輸送CO2排出量の増加等、環境負荷が増大する複数の問題点があった。

そこで同社は顧客の東芝ホクト電子㈱と協働し、DFL(Design for Logistics)の考え方に基づき、製品仕様を変更しないという条件のもと、製品企画・設計段階まで遡って見直した。その結果、包装箱のオール段ボール化・コンパクト化・軽量化を実現、包材費65%減、作業工数30%減という成果を出すことができた。とりわけ、緩衝材プラスチックの利用をやめ、CO2排出量を25%削減できたことは、脱プラスチックという観点でも環境負荷低減に大きく貢献した。

また、対象製品の内部にあるフィラメント線の断線を防ぐため、包装材料・材質・形状の強度解析シミュレーションを通じた設計検証と実物サンプルでの落下試験検証に注力することで、輸送・荷扱いにおける製品品質も確保した。

・特別賞

◎リチウムイオン電池 100%リサイクル緩衝材採用と収納効率最大化取り組み

顧客の㈱東芝、部材調達先の積水化成品工業㈱と協働し、輸出用リチウムイオン電池の包装の見直しを行った。その結果、従来のバージンプラスチック発泡緩衝材から、欧米の包装廃棄物規制(特定有害物質の不含有)にも適合した100%リサイクル材(発泡スチロール)への転換を実現した。

また、同時に収納効率も上げることで20ft海上コンテナへの積載数を25%増、輸送CO2を20%削減し、環境負荷低減にも貢献した。

◎複数拠点からの遠距離輸送プロセスの改善による輸送CO2の削減

京浜地区及びその周辺地区から北海道へ輸送する工程において、海上輸送と鉄道輸送を一本化し、積載効率を上げることにより、輸送に関わる排出CO2削減、ならびにドライバー負担軽減を実現した。