㈱日立物流は7月6日、(一社)日本物流団体連合会主催の第23回物流環境大賞で、同社と顧客の住友精化㈱、ユニ・チャームプロダクツ㈱九州工場、内航コンテナ船会社の井本商運㈱、同社グループ会社の㈱バンテックによる共同取り組み「海上コンテナ転用による資材国内輸送と同一コンテナでの製品輸出で環境負荷低減に貢献」が「先進技術賞」を受賞したと発表した。

今回の取り組みでの受賞は、「令和3年度エコシップ・モーダルシフト優良事業者表彰(海運モーダルシフト大賞)」「令和3年度グリーン物流優良事業者表彰(物流DX・標準化表彰)」に続き3件目となる。

●取り組み概要
従来、住友精化㈱姫路工場からユニ・チャームプロダクツ㈱九州工場間の原材料輸送は、全行程をトラックで輸送しており、将来にわたるトラックドライバーの安定確保と環境負荷の低減に取り組む必要があった。そこで、神戸港~門司港間を内航船活用による輸送へモーダルシフトすることで、トラックの長距離輸送をなくし、安定輸送の確保とトラックドライバーの負荷軽減、CO2排出量の削減を実現した。また、輸出用の海上コンテナを国内輸送に転用(コンテナラウンドユース)することで、輸送車両の大型化により運行回数を削減し、輸送の効率化を図った。さらに、輸出製品積込作業に自動バンニングマシンを導入し、作業時間の削減を行った。

●取り組みイメージ図

●効果
・年間のCO2排出量を対トラック輸送比マイナス61%となる271t削減(445t→174t)
・13tトラックから26t積載可能な海上コンテナを使用した輸送とすることで1輸送あたりの積載量を倍増
・海上コンテナを国内輸送へ転用することで、国内における原材料輸送と海外への製品輸出を同一コンテナで運用(コンテナラウンドユース)
・ドライバーの年間運転時間を2,077時間削減(3,508時間→1,431時間)
・輸出製品の積込に自動バンニングマシンを導入した結果、作業時間を875時間削減(954時間→80時間)

日立物流グループは、CO2排出量を2030年度に50%削減(2013年度比)、2050年度のカーボンネットゼロをめざす「環境中長期目標」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献していく。