SBS東芝ロジスティクス(株)は3月2日、日本インダストリアル・エンジニアリング協会(日本IE協会)がタワーホール船堀(東京都江東区)で開催した「2021日本IE協会年次大会」において、物流現場改善におけるIEの取り組みをテーマに大分ロジセンターの改善事例を発表した。
同大会は、「IEが奏でる未来響創~ニューノーマル時代のパラダイムシフトを支えるIE~」を今年度のテーマとし、
(1)常に市場の変化に適応していくための「企業戦略」
(2)“人”にフォーカスした「人財力」
(3)自律的な改善にフォーカスした「現場力」
(4)業界などの境界を超えシームレスに活用される「拡がるIE」
の4つの分科会から構成されている。
今回、同社が事例を紹介したのは、第4分科会「拡がるIE~業種を超えたIE活用~」で、製造業(モノづくり)生まれのIEを、他業種でより広く展開させることを目指す日本IE協会より、2021年5月に開催された「全日本物流改善事例大会2021」において物流合理化努力賞を受賞した大分ロジセンターの事例を、製造現場以外でのIE活用事例として紹介して欲しいとの要請から今回の登壇に至った。
●発表概要
IE手法を駆使したピッキング工程のバラツキ改善~作業手順書で表現しきれない「動作」の統制~
課題背景:庫内作業者の高齢化による減少傾向に伴い、ピッキング作業を専任ではなく他工程からの応援で対応する機会が増加しており、作業の生産性向上が喫緊の課題だった。
解決策:応援者の作業動作を確認したところ、特に経験の浅い作業者にムダな動作が多いことが判明。作業手順書では表現できない動作を“秒”(IE手法)の目で切り込み、分析を行いピッキングに関わる動作を改善。作業動作の統一を図るとともに動作時間の削減を実現。
同社は当日、会場およびオンラインで約580名の参加者に上記改善取り組み内容から、将来に向けたAI、ロボット技術の活用への取り組みまで紹介した。