㈱豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは9月13日より、現行車と比べて燃料電池システム(FCシステム)コストの大幅低減により車両価格を30%低減するほか、耐久性(※1)を2倍(※2)に向上させた新型燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)の販売を開始した。

新型燃料電池フォークリフト(70-8FBE18 オプションカラー車)

新型FCフォークリフトは稼働時にCO2を一切排出しない優れた環境性能と、わずか3分で水素燃料充填が完了する高い利便性を備えた「次世代のエコ・フォークリフト」。同社は2016年に国内初のFCフォークリフトを販売を開始して以来、環境省からの導入支援(※3)を受け、工場や空港、市場など稼働時間が長く、使用頻度の高い顧客に導入している。

今回6年ぶりにFCシステムを大幅に改良した新型FCフォークリフトには、2020年発売のトヨタ「MIRAI」の燃料電池セル(FCセル)を使用し、独自に開発した発電システムによってFCセル数を低減しながらも、現行車同等の出力を実現した。また、FCセル以外にもMIRAIとの共用部品を増やすほか、FCシステム全体の部品点数を削減することにより、システムコストを大幅低減した。さらに、FCセルの劣化を抑制する発電制御の採用により、耐久性を現行比で2倍に向上させ、顧客はより長く利用することが可能となった。

※1:FCシステムの出力性能維持期間(出力が出荷時から80%以上維持できる期間)

※2:JIS D6202エンジン車燃料消費測定パターン60Sに基づく。同社調べ。

※3:環境省の「水素社会実現に向けた産業車両等における燃料電池化促進事業」により、エンジン車との価格差の半額を補助

●新型FCフォークリフト概要
○FCフォークリフトの主な特長
(1)高い環境性能
 ・フォークリフト稼働中のCO2排出量ゼロ
(2)作業効率の向上
 ・約3分の水素充填で連続稼働可能
(3)外部給電機能
 ・AC100Vコンセントを搭載し、水素1充填あたり1kW×13時間の電力供給が可能

○新型FCフォークリフトの主な仕様
定格荷重:1.75t
全長:2,030mm
全幅:1,075mm
全高:1,980mm
車両重量:3,090kg

○新型FCシステムの主な仕様
定格出力:8kW
システム電圧:48V
水素
 充填圧:35MPa
 搭載量:1.0kg
 充填時間:3分間
稼働時間:8時間※
電源機能(AC100V):1kW×13時間
※55%稼働、100%水素消費を条件として同社電動フォークリフト稼働時間測定方法により算出

○希望小売価格(標準仕様)
 998万円(税込1,097万8,000円)