㈱アイオイ・システム(AIOI)は10月1日より、次世代の3Dセンシング技術に対応した「プロジェクションピッキングシステム」のコントローラ「PP0106」を受注開始した。

同製品は、広角カメラ「PP0303」と組み合わせることで、従来は両立が困難であった「1台での広範囲カバー」と「棚端部における高い検知精度」を同時に実現した。最小40mm(※1)のスポット検出に対応し、広角レンズ特有の端部の歪みによる精度低下を極限まで抑制。天井高等の設置条件に制約がある現場においても、安定したピッキング環境の構築を支援する。

●開発背景:高密度化する物流現場の課題を解決
昨今のEC市場拡大に伴い、物流センターでは限られたスペースを有効活用するため、保管棚の高密度化が進んでいる。これに伴い「棚の間口」は狭小化しており、作業スタッフによる隣接間口への取り間違い(ポカミス)のリスクが高まっている。

従来のセンサ技術では、「広範囲をカバーしようとすると画像端部の歪みが大きくなり、周辺部の小さな棚を正確に認識できない」という課題があった。また、天井が低い現場ではセンサの設置高度を確保できず、1台あたりのカバー範囲が狭まるため、導入台数が増えコストを圧迫する要因となっていた。

そこでAIOIは、独自の新アルゴリズムによる補正技術を開発した。広角レンズ特有の歪みをリアルタイムで補正することで、「広範囲でありながら隅々まで正確」という検知環境を実現。棚の端から端までミスを見逃さない、高密度な物流現場に最適なシステムとして同製品を開発した。

●「プロジェクションピッキングシステム」とは
プロジェクタを活用し、物流・製造現場のピッキングや仕分け作業を支援する投影型ナビゲーションシステム。棚やラック、床面、壁面等に、画像・文字・数字・QRコードなどを投影し、作業者に「どこから」「何を」「いくつ」取るかを分かりやすく案内する。現場環境に合わせたカスタマイズも可能で、作業ミスを防ぐポカヨケ機能も搭載している。食品、アパレル、医薬、製造業など幅広い業界で活用されている。

※「プロジェクションピッキングシステム」はAIOIの登録商標。

●「PP0106」の主な特長
同製品と広角カメラ「PP0303」を組み合わせることで、以下の付加価値を提供する。

①独自アルゴリズム(※2)による超高精度センシング
新開発の「点群(ポイントクラウド)解析アルゴリズム」を搭載。広角レンズ特有の歪みをリアルタイムで高度に補正し、エリアの隅々まで「定規で測ったような」正確な検知を可能にした。

②最小40mm(※1)のピンポイント判定に対応
指先ほどのわずかな範囲(40mm※1)を正確に識別し、ピンポイントでのタッチ判定を可能にする。

③導入コストの削減と構築時間の短縮
1台で広範囲をカバーできるため、従来よりも設置台数を削減し、導入コストを抑えることが可能。また、mm単位で直感的に設定できる現場目線の新ツールにより、システム立ち上げにかかる時間を大幅に短縮する。

センシング範囲イメージ(概念図)

※1:隣接するターゲットとの間に一定の距離がある環境において、極小スポットへの正確なタッチ判定を実現する。
※2:独自のピッキング判定アルゴリズムにおいて特許取得済み(特許第7583956号)

●今後の展望
AIOIは今後、設置環境に合わせたセンサラインアップの拡充に加えて、AI活用による検知精度のさらなる高度化を推進する。また、自動化設備との連携強化や、身体の動きを捉える新たなセンシング技術の導入により、作業者の負担軽減と安全性を両立した「次世代の作業支援システム」の実現を目指すとしている。