NIPPON EXPRESSホールディングス㈱(NXHD)グループの日本通運㈱は5月26日、富士フイルムビジネスイノベーション㈱、富士フイルムロジスティックス㈱、日本貨物鉄道㈱(JR貨物)と連携し、首都圏-鈴鹿間において31フィート(ft)ラッピングコンテナを活用したラウンド輸送を開始したと発表した。本格運用の開始にあたり、5月25日に出発式を開催した。

今回の取り組みでは、首都圏から使用済み複合機を鈴鹿へ輸送し、鈴鹿で生産した再生機を首都圏に輸送する。長距離幹線区間を鉄道へとモーダルシフトすると共に、安定した輸送力の確保、輸送効率の向上、環境負荷の低減を図る。

なお、今回の取り組みで輸送する「再生機」とは、使用済み商品から取り出した部品を重量比で最大84%リユースすることで資源循環・脱炭素の促進に貢献する商品。

出発式の様子(左から、日本通運 執行役員 越田義昭氏、日本通運 常務執行役員 戸田達也氏、富士フイルムビジネスイノベーション 執行役員 八尋孝弘氏、富士フイルムロジスティックス 社長 有馬和則氏、日本貨物鉄道 取締役兼常務執行役員 関東支社長 篠部武嗣氏)

近年、物流業界ではトラックドライバー不足や労働規制強化を背景に、中長距離輸送の安定確保が大きな課題となっている。加えて、企業活動においては、CO2排出量削減をはじめとする環境配慮型物流への対応も一層重要になっている。

今回輸送する「再生機」は、富士フイルムグループの「使用済み商品は、廃棄物ではなく、貴重な資源である」という考えのもと、リユース部品を設計上の重量比で最大84%活用し、新造機と同様のプロセスおよび品質基準で製造された商品。富士フイルムロジスティックスでは、首都圏の顧客から回収した使用済み複合機を鈴鹿へ輸送し、鈴鹿で生産された再生機を再び首都圏へ供給している。日本通運は、この往復双方の安定した輸送需要に着目し、鉄道コンテナを活用したラウンド輸送スキームを構築した。

今回の取り組みは、富士フイルムグループが推進する資源循環の輪を次世代へつないでいく取り組みを、NXグループのサステナビリティビジョン「事業を通じて世界の人々のより良い暮らしと持続可能な社会の発展を支える」のもと、物流面から支えるもの。

●取り組み概要
今回のスキームでは、東京貨物ターミナル駅-四日市駅間の長距離幹線輸送に31ftコンテナを使用した鉄道輸送を採用し、発着地から駅までの集荷・配達をトラックと組み合わせることで、首都圏と鈴鹿を結ぶ一貫したラウンド輸送を実現する。

・往路(静脈物流)
首都圏で回収した使用済み複合機を、鈴鹿へ輸送

・復路(動脈物流)
鈴鹿で再生・整備された再生機を、首都圏の拠点へ輸送

さらに、富士フイルム専用デザインを施した31ftラッピングコンテナを導入することで、資源循環を支えるラウンド輸送の取り組みを可視化し、環境配慮型物流の発信にもつなげている。

今回の取り組みスキーム

●出発式
本格運用の開始にあわせ、5月25日に東京貨物ターミナル駅で出発式を開催した。

式典には、富士フイルムビジネスイノベーション 執行役員 八尋孝弘氏、富士フイルムロジスティックス 社長 有馬和則氏をはじめ、関係者が出席した。式典では、関係各社の代表者より以下の挨拶があった。

・富士フイルムビジネスイノベーション 執行役員 八尋孝弘氏
「富士フイルムビジネスイノベーションが、業界で初めてリユース部品を使用した商品を市場に投入して今年で 30 年になります。今回の日本通運様との環境配慮型鉄道ラウンド輸送の運用開始により、サステナブルな社会の実現により一層貢献できることを大変喜ばしく思います」

・富士フイルムロジスティックス 社長 有馬和則氏
「関係各社の協力のもと鉄道ラウンド輸送を実現し、効率化と環境負荷低減を両立する物流スキームを構築できました」

・JR貨物 取締役兼常務執行役員 関東支社長 篠部武嗣氏
「富士フイルムグループ様およびNXグループ様と共に進める本取り組みによって、鉄道貨物輸送の強みを活かして、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーの推進に貢献できますことを嬉しく思います。安定輸送に努めてまいります」

・日本通運 執行役員 越田義昭氏
「当社からのご提案に対し、富士フイルムグループ様には迅速にご賛同・ご決断いただきました。環境に対する高い意識と、資源循環の実現に向けた強い意志を改めて実感しております。その取り組みを物流面から支えられることを大変嬉しく思うとともに、大きなやりがいを感じています」