㈱東京流通センター(TRC)は5月18日、ダイナミックマッププラットフォーム㈱(DMP)と共同で、都心最大級の物流施設となるTRCの保有する敷地内全エリアの高精度3次元地図データの整備を完了したと発表した。
同データの整備により、物流施設の屋内部分を含めTRC構内全体におけるレベル4自動運転車両の受け入れおよび円滑な走行実現を目指すほか、フィジカルAIをはじめとする周辺技術の開発促進に貢献する。
●今回の取り組みのポイント
①平和島自動運転協議会(※1)会員への展開
今回整備した高精度3次元地図データは、平和島自動運転協議会の会員企業に対して、TRC構内における自動運転・フィジカルAI等の実証実験用途に限り、自由に活用できる共有インフラとして提供される。これにより、各社が個別に行っていたデータ整備のコストと時間を大幅に削減し、オープンイノベーションによる物流業界の社会課題解決を加速させる。
②自動車メーカー・自動運転技術の開発企業による幅広い利活用
同データは、世界的な標準フォーマットである「Lanelet2」を採用しており、国内外の多様な企業が技術検討を進める様々な自動運転システムに対応可能。商用トラックの自動運転実装を目指す国内自動車メーカーをはじめ、すでに多くの会員企業による活用が予定されている。


●今回の取り組み背景
物流業界においては、トラックドライバーの不足といった喫緊の社会課題に対応すべく、自動運転車両による輸搬送技術の検討が進められている。高速道路上における自動運転トラックの走行実証等の技術検討は政府主導のもと実施されているが、課題解決の効果最大化の観点から物流網全体の自動化を実現するには、高速道路上だけでなく物流の結節点となる物流施設内のバース(※2)まで自動運転車両がアクセスできる技術についても検討を進めていく必要がある。
TRCは南部流通業務団地内にあり、首都高羽田線・平和島ICや湾岸線・大井南ICの至近に位置している。この立地特性を活かし、将来的に自動運転車両の一般道での走行が実用化された際には、高速道路から施設へスムーズに乗り入れ可能な拠点となることを目指している。
他方、DMPは平和島自動運転協議会の会員企業として2025年12月より活動を開始した「TRC建物内の自動運転走行WG」に参画している。自動運転技術の開発企業等と協業しながら、屋内部分を含む物流施設構内における自動運転走行技術の確立についての検討を進めている。
上記背景のもと、TRCとDMPはレベル4自動運転車両が物流施設内においても有人運転と同様にシームレスに走行できるよう、GPSが届きにくい屋内空間や複雑な幾何形状を持つランプウェイを含む物流施設全体の高精度3次元地図データを作成した。同データを活用することで、今後は物流施設における自動運転走行技術の検討を加速させるほか、自動運転車両と物流施設の運用管理システムの持つ情報とをリアルタイムに連携させる仕組みについても検討を推進する。これにより、物流施設構内に到着したレベル4自動運転トラックが指定区画・バースへ安全に向かうための情報提供や、施設に入居するテナント事業者とのシステム連携等が可能となる。
※1:以下<●平和島自動運転協議会について>参照
※2:物流施設においてトラックが荷物を荷下ろしする際に停車する専用スペース
●平和島自動運転協議会について
平和島自動運転協議会は、TRC構内を実証フィールドとして2025年5月に発足した、企業・行政・研究機関が集うプラットフォーム。自動車・モビリティ、通信・IT・テクノロジー・システム開発、商社・流通、物流・倉庫業等、40社近い多岐にわたる業種・カテゴリーの企業が参画している。自動運転技術の社会実装を見据え、構内での実証実験やオープンイノベーションを推進するほか、建物内走行、循環型ラストマイル配送、フィジカルAI荷役のワーキンググループを通じて、次世代物流モデルの具体化を進めている。ここ平和島から、自動運転車両の社会実装におけるスタンダードを形づくり、持続可能な物流の未来の創出と、物流業界が抱える社会課題の解決を目指している。

