ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーションは2月24日、第14回「小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査」の結果を発表した。

調査結果からは、買い物客と小売業者の信頼度に大きな隔たりが存在することが明らかになった。

オンラインショッピングの注文を指定通り処理することに関し、小売業経営陣の55%が高い信頼を得ていると回答する一方、これに同意した買い物客は38%にとどまった。

また、小売店の従業員についても、顧客のオンライン/モバイル注文を指定通りに調達・配送することについて、信頼しているとの回答は51%にとどまっており、雇用主である小売業者の能力に不信感を抱いている。経営陣は信頼度の向上を目指し、現場従業員の貢献度を高め、店舗やサプライチェーン全体で在庫計画・実行方法を改善するソリューションを採用する傾向にあることが判明した。

●第14回小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査概要
調査企画:ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション
調査期間:2021年6月~7月
調査実施:Azure Knowledge Corporation(米調査会社)
調査対象:買い物客、小売店従業員、小売業経営陣5,000人以上
調査方法:聞き取り調査
調査地域:北米、中南米、アジア太平洋(日本含む)、欧州、中東

●客足は実店舗に戻りつつあるものの、コロナ禍以前の購買行動には戻らず
買い物客の2/3は今後、数か月のうちに実店舗での買い物に戻る意向を示しているが、店舗での滞在時間を短くしたいと考えているとの回答は73%にのぼった。

●実店舗でもオムニチャネルの新しい購買行動が定着
買い物客の約 1/3 が、ショッピングの際にモバイル端末を使って商品の価格を調べたり、オンラインサイトで商品を閲覧したりすると答えている。また、70%以上が「最近、欲しい商品がなかったため何も買わずに店を出たことがある」と回答。実店舗で商品を購入しなかった理由として、50%近くが「在庫切れ」を挙げている。

●小売業者、オンライン注文処理とフルフィルメントを効率化
かつてないほど小売チャネルの融合が進む中、オンラインでの注文処理とフルフィルメントの効率化が優先課題であるとの回答は経営陣の3/4以上を占めた。また、同経営陣の約10人中9人が、店舗における商品のピックアップおよび梱包や倉庫でのフルフィルメントを改善する方法を検討していると回答。1/3以上が店内の一画に商品の受け取り・返品場所を開設しており、カスタマー・サービスセンター中心の人流迂回に一役買っている。

その他、主な調査結果は以下の通り。
・デジタルに慣れ親しんだ買い物客や従業員は、小売業者による最新テクノロジーの導入を期待している。より優れた在庫ツールが必要と考えている従業員は73%と前年比14%増加した。
・10人中8人の買い物客は、通販であろうと実店舗であろうと、購入したところから簡単に返品できる方がよいと考えている。
・従業員は店頭返品で続いている問題として、「返品を頻繁に繰り返す顧客」53%(前年比18%増)、「返品物流の管理」39%(前年比39%増)、「店内に返品専用のエリアがない」27%(前年比13%増)を挙げている。
・従業員がより良い顧客体験の創出に役立つと答えた主なテクノロジーは、「在庫のリアルタイム可視化」82%、「従業員スケジュール管理ソフトウェア」76%、「タスク管理ソフトウェア」72%が上位を占めている。