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三井不動産、長距離物流温度/振動トレース実証実験

2021/07/01

日本初 有機半導体フィルムデバイスを活用した 長距離物流における温度/振動トレース・モニタリングシステムの実証実験に成功 

三井不動産(株)とパイクリスタル(株)は7月1日、東京大学発、日本初の技術である有機半導体フィルムデバイス(※)を用いた、長距離物流過程の温度および振動を継続的に観測する実証実験を柏の葉スマートシティで実施した。
これにより、温度や振動等の複数の情報を、1つの薄型・軽量なフィルムデバイスに搭載しデータを継続的に取得するほか、取得したデータをクラウド上で共有できるトレースシステムの開発に成功したこととなる。

本システムにより、長距離物流過程の温度や荷物にかかる振動のデータを継続的に観測し、コロナウイルスワクチンをはじめとする医療分野や薬品輸送のGDP(※1)への対応、鮮魚など生鮮食品の HACCP(※2)・ISO22000(※3)対応等、今後さらに強化が必要となる物流品質の保証や品質改善の提案に向けた、有益なデータの供給が可能となる。さらに化学品や海外物流といった様々な分野において安心・安全な物流サービスを実現する。

(※)参考リリース:有機半導体温度/振動センサを用いた長寿命リユース型無線物流トレースフィルムの開発
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/0225/


今回の実証実験は、柏の葉スマートシティの街を舞台とした実証プラットフォーム「イノベーションフィールド柏の葉」の枠組みを活用し、柏の葉スマートシティ内の複数拠点の連携や事業者からの協力を得ることで実施された。今後も継続的な実証プロジェクトを実施し、パイクリスタルが開発した有機半導体フィルムデバイスを、柏の葉エリアの様々なアセットにおける利活用の検討を進めることで、サービスとしての確立と全国的な拡大を目指す。三井不動産は、今回の実証実験の取り組みを通じて柏の葉エリアにおける安心・安全な物流サービスの実装を目指すほか、その他のアセットへの有機半導体フィルムデバイスの技術の活用による街全体のスマート化についても検討を進めていく。

※1 GDP:輸送・保管過程における医薬品の品質を確保することを目的とした基準(適正な物流に関する基準)。製造業者から薬局、または医薬品を公共に供給する承認(資格)を有している個人に至るまでのサプライチェーン全段階で医薬品の品質が維持されることを保証する実践規範であり、医薬品品質保証の一環。

※2 HACCP:食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたもの。

※3 ISO22000:「食品安全マネジメントシステム-フードチェーンに関わる組織に対する要求事項」の国際標準規格。安全な食品を生産・流通・販売するために、HACCPシステムの手法を、ISO 9001(品質マネジメントシステム規格)を基礎としたマネジメントシステムとして運用するために必要な要求事項を規定している。

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