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三井不、日本橋、豊洲でMaaS実証実験を開始

2020/12/22

三井不動産(株)は、街で暮らす人々に新たな体験価値を提供することを目的にヒト・モノ・サービスの「移動」に着目した「モビリティ構想」の1つとして、「不動産×MaaS(※1)」を開始した。

同社は「不動産×MaaS」の第1弾として、2020年9月に柏の葉エリアにて実証実験を開始。12月15日から日本橋エリア、12月21日からは豊洲エリアにおいても実証実験を開始した。

※1:MaaS:Mobility as a Serviceの略称

同社が目指す「不動産×MaaS」は、不動産を起点とした近距離移動に焦点を当てたサービスを提供し、コミュニティにおける移動の利便性を高めるほか、街の魅力的なコンテンツへの気づきと出会いをもたらす。また、MaaSを不動産と組み合わせたサービスとして提供することにより、立地に左右されない移動の利便性を提供していく。

●三井不動産のMaaSの特徴
各地域で必要とされるMaaSは画一的ではなく、物件・地域ごとの特徴を踏まえたサービス提供が重要。同社の目指す「不動産×MaaS」では、地域個別に最適なサービスパッケージを提供。三井不動産のアセットを含む、街の魅力コンテンツ(目的地)に向けて、個人最適な移動をMaaSで実現する。将来的には、住宅に加えて各地域にある商業施設、オフィス等を含めてMaaSの提供を行い、各コミュニティ間をつないでいくことで都市の活性化と付加価値向上を目指す。

同社のグループ長期経営方針「VISION 2025」で定める通り、「人が主役の街づくり」として、働く人、訪れる人、そこに暮らす人、それぞれが満足するミクストユースの街づくりを推進。「不動産×MaaS」の実現によって、多様化していく人々のライフスタイルに合わせ、移動手段・ルートをカスタマイズすることが可能となる。モビリティサービスは不動産の価値に影響を与えることも考えられ、同サービスを通じて、新たな街づくりに取り組んでいく。

今回の実証実験で導入したMaaSアプリ「Whim(ウィム)」は、目的地までの検索、予約、決済、そして実際にモビリティに乗車するところまでを1つのアプリでシームレスに行うことができる。使用可能なモビリティは現時点で最大4種類(カーシェア、シェアサイクル、バス、タクシー)あり、ユーザーの好みに応じて選択し、使用することができる。実証実験では、これらモビリティを月額定額制(サブスクリプション)のサービスとして提供し、ユーザーは多様な交通サービスを横断的に利用できる。また、各物件敷地内にはWhim会員専用のモビリティとしてカーシェアおよびシェアサイクルを設置することで、自己保有のモビリティ感覚で利用することを可能にしてる(設置可能な物件のみ)。同サービスは「MaaS」レベル3(※2)に位置付けられており、シームレスな移動を体感できるものとなっている。

※2:スウェーデンのチャルマース工科大学が提唱したMaaSを4段階に分類したうちのレベル3(複数の交通サービスを定額制で提供可能)に該当

●三井不動産のMaaS実証実験の概要
柏の葉、日本橋、豊洲の各エリアで実証実験を行い、最適なMaaSの提供を目指す。柏の葉は「都市近郊型」、日本橋は「都心型」、豊洲は「準都心型」のモデル都市として位置付け、提供サービスに必要とされる要件の検討ならびに検証を進めている。

日本橋・豊洲
実施期間:
(1)日本橋エリア:2020年12月15日~2021年3月31日(予定)
(2)豊洲エリア:2020年12月21日~2021年3月31日(予定)

対象者:以下のマンションの住民
(1)日本橋エリア
  ・パークアクシス東日本橋ステーションゲート
  ・パークアクシス日本橋浜町レジデンス
  ・パークアクシス日本橋茅場町
  ・パークアクシス日本橋堀留町
(2)豊洲エリア
  ・パークアクシス豊洲キャナル

特徴:商業施設連携施策として、実証実験参加者にコレド室町ならびにコレド日本橋の買物券や、駐車場無料券を配布。また、柏の葉の実証実験で得たユーザーフィードバックを受けて、東京の実証実験ではユーザーの使い方に高い自由度を持たせたサブスクリプションプランを導入する。

●MaaS Global社との提携
三井不動産は2019年4月、世界初の本格的なMaaSのプラットフォーム「Whim」を展開するMaaS Global社(MG社)と街づくりにおけるMaaSの実用化に向けた協業について契約を締結。それに伴い、MG社への出資を行っている。

●三井不動産「モビリティ構想」
同社はグループ長期経営方針「VISION 2025」にも定める通り、「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を目指している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を機に、働き方や暮らし方の選択肢が多様化し、ライフスタイルの変化が加速した。また、生活におけるデジタルサービス活用の重要性も増している。こうした背景の中で今回のモビリティ領域(MaaS、移動商業)への取り組みにより、以下のような価値創出に取り組んでいる。

(1)アセット:ボーダレス化への対応
(2)街づくり:街の魅力コンテンツの発見・アクセスの向上
(3)体験価値:不動産をサービスとして利用(Real Estate as a Service)

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