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キトー、故・鬼頭亮一郎元会長のお別れ会を開催

2019/10/03

(株)キトーは10月2日、今年8月4日に逝去した同社元代表取締役会長の鬼頭亮一郎氏(享年86歳)の「お別れ会」を、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)で開催した。

会場には、故・亮一郎氏にまつわる様々な思い出の品が展示され、参加者は思い思いに同氏の功績や足跡を辿った。

展示によると、1932年(昭和7年)、同社創業者の鬼頭美代志氏の長男として創業の年に誕生。1956年(昭和31年)、東京工業大学工学部機械工学科を卒業し、鬼頭製作所(のちに(株)キトーへ改称)に入社。1970年(昭和45年)に専務取締役、1982年(昭和57年)に代表取締役社長、1999年(平成11年)に代表取締役会長に就任した。

同氏は創業50年の節目となる1982年から2003年までの21年にわたり代表の任を務め、日本経済がバブル景気から平成不況を迎える激動期に、新製品の開発や生産プロセスの改革、新規市場の開拓に注力。山梨への本社工場の全面移転や同社初の海外進出となったアメリカ子会社の設立等でリーダーシップを発揮、同社発展の礎を築いた。

1995年(平成7年)に県政功績者表彰、1997年(平成9年)には関東通商産業局長賞(実施功績賞)、1998年(平成10年)には荷役機械の安全技術としての遊転装置の開発育成の寄与したことから、科学技術庁長官賞を受賞した。また、2004年(平成16年)に電機工業永年功績者表彰、2010年(平成22年)には、チェーンブロック(手動巻上機)およびレバーブロック(手動巻上兼牽引装置)、軽合金フレームの電気チェーンブロックの開発育成と工業化等の点から、旭日綬章を受章した。

一方、業界団体の活動にも尽力。社団法人日本産業機械工業会理事や社団法人日本クレーン協会理事、社団法人山梨県機械電子工業会会長、甲府府商工会議所副会頭、山梨経済同友会副代表幹事等を歴任した。

このほか、同氏が旭日綬章受章の際に従業員に向けて挨拶したメッセージも紹介。「今回の勲章は私個人の名前でいただきましたが、受章理由の軸となったチェーン1つをとっても、世界トップレベルにある現在のV級チェーンを作り上げるまでには、大勢の人の知恵と努力がそこに盛り込まれてきました。しかも受賞理由を見ますと、決して技術、製造部門だけではなく、市場に広めた営業部門あるいは資材、総務、経理など全部門の合作による成果だと言えます。受章名義人は私ですが、会社およびこれまでキトーに関わってこられたすべての方がそれぞれお褒めの言葉をいただいたと解釈して、喜びを分かち合っていただきたいと思います」と語ったという。

●故・鬼頭亮一郎氏の遺影(上)、展示(中)、旭日綬章(下)

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