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第15回「物流連懇談会」開催

2019/06/03

(一社)日本物流団体連合会は5月24日、東京都千代田区の学士会館で、第15回「物流連懇談会」を開催した。

今回は(一社)日本船主協会の会長であり、(株)商船三井の取締役会長の武藤光一氏が「日本の外航海運政策」と題して講演。参加者は、会員企業の代表者や幹部等約80名にのぼった。

懇談会の冒頭で田村物流連会長が挨拶。

武藤氏の講演は2部に分けて行われ、第1部では「日本の外航海運のポジション」と、「日本で外航海運を維持するには」について説明した。ポジションについては、まず世界経済の発展に不可欠な産業である外航海運は日本の輸出入の99.6%を担い、さらにその中でもエネルギー、食糧、資源の67%は日本の商船隊が輸送していること。また、世界船腹量に占める日本商船隊の割合は9%であり、世界の海運5社の中に日本の大手3社が入っており、世界的にも大きな影響力があると説明した。

また、「日本で外航海運を維持するには」の説明では、外航海運ではトン数標準税制がいまや世界標準であり、日本の海運産業を守るためにはこれが必要不可欠だと述べた。

続いて第2部では、「新しい環境保全ルールへの対応」について説明した。海運に関わる国際規則は国際海事機関(IMO)で条約が取り交わされており、その中で海運業界の最大の課題となっているのが排出ガスの硫黄酸化物、SOX規制であり、低硫黄燃料油への切り替え、スクラバの設置、LNG燃料船への置き換え等の対策があるが、いずれもコストアップや積載量の低下等、世界の海運で年間3兆3,760億円の追加コストが見込まれ、地球規模の環境対策に要するコスト負担のあり方について懸念を示した。

温室効果ガス(GHG)削減目標としては、パリ協定を受け2018年4月にGHG削減戦略が採択され、燃料効率、排出量を段階的に削減し、今世紀中、なるべく早期に国際海運からGHGゼロ排出を目指すと説明した。

●講演する武藤会長(上)、講演会風景(下)

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