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【新刊紹介】「サービス業の標準化」大芦誠著

2013/02/27

日本規格協会は2月19日、大芦誠氏著「サービス業の標準化 ~サービス化する経済にこそ標準化の活用を」を発刊した。B6版190頁、定価は1,300円(税別)

本書はこれまであまり注目されてこなかった“サービス業の標準化”に焦点をあてた内容。著者であるISO/TC164国際幹事の大芦氏は、「サービス業(第三次産業)においても、標準化を利用して、生産性や競争力を高めることはできないか。新たな産業を創造できないか」と問題を提起する。

標準化といえば、日本工業規格(JIS)に代表される製造業が中心であったが、サービス業の重要性は高まる一方で、日本では雇用・GDP共に7割超であるという。成熟化社会を迎えて、製造業では高品質な製品の大量生産に加え、製品で「何が楽しめるのか」というサービス業との融合が進んでいる。マクロな視点で世界市場を見ると、東南アジアや中東・南米など、世界的な成長期を迎えている。

その一方でサービス業については、製造業のような科学的なアプローチは始まったばかりであるという。「日本の場合、海外進出の歴史も浅く、効率性・生産性等は高くない。しかし逆に言えば、これはまだ手つかずの宝の山が残っている可能性を意味している」と大芦氏は指摘する。

そこで本書では標準化を提案する。高性能・高品質の代名詞であるmade in Japanをサービス業にも応用できないものかという狙い。

本書の大まかな構成は3点ある。(1)サービス経済化が進む現状をレビューし、サービス業に標準化を取り込む利点を考える、(2)サービス業と標準化の正体を改めて論じ、先行するISOやヨーロッパにおけるサービス業に関する標準化活動を紹介、(3)サービス業における標準化の方向性(仮説)を提案

実際、サービス業の標準化については、欧州を中心に様々な試みが行なわれているが、試行錯誤の段階だ。「しかし、その中から少しずつ何かが見えつつあるのも事実」と大芦氏は語る。

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