陸・海・空の物流専門紙・誌22社で構成する日本物流記者会は12月14日、第8回「物流人間大賞」の選考を行い、受賞者を以下の通り決定した。

なお、授賞式は例年、日本物流記者会の定時総会終了後の懇親パーティの場にて行っていたが、今回は新型コロナウイルスの感染防止に配慮し、懇親パーティおよび授賞式を中止した。

●第8回受賞者
野尻俊明氏(学校法人日通学園理事長)
略歴:1979年日通総合研究所(現・NX総合研究所)入社。流通経済大学社会学部教授、同流通情報学部教授、同法学部教授を経て、2002年流通経済大学学長(2008年まで)、2015年流通経済大学学長(2021年まで)、2016年学校法人日通学園理事長(現職)。この間、政府関係の委員等を歴任。著書多数。

●授賞理由
野尻氏は、日本を代表する物流政策研究の第一人者として、諸外国における運輸事業の規制緩和の動きを紹介する等の功績を果たしたほか、流通経済大学学長および日通学園理事長として、我が国における物流・ロジスティクスの普及、ロジスティクス人材の育成に貢献した。行政分野でも「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」の座長等、多数の会合の委員等を歴任した。

右より野尻俊明氏、熊木茂夫会長

●野尻氏の受賞コメント
この度「物流人間大賞」という名誉ある賞をいただき、大変ありがたく思っております。

私は他の過去の受賞者とは異なり、物流の実務や現場には全くかかわりがなく、物流政策の研究という分野で細々と研究を続けてきましたが、今回こうして日本物流記者会の皆様からご評価いただけたことは望外の喜びであります。

この分野の研究の当初は、外国とりわけ米国の政策に興味を持ち、我が国への紹介を主な仕事としていましたが、特に米国の政策の核である規制緩和(ディレギュレーション)の実際について研究を行ってきました。その後、我が国でも物流二法による経済的規制の緩和が実現し、一定の役割を果たすことができたと自負しています。

物流二法制定後は、社会的規制とりわけ安全問題に強い関心を抱き、いくつかの政策について提言等を行ってきました。なかでも、Gマーク制度や事業用自動車安全プラン等、今日安全問題を考える上で重要な政策に関与できたことは誇りとしています。

現在、物流分野が抱える課題は多々ありますが、今後も地味ながらも着実に研究を続け、間接的ながら関係者の皆様のお役に立つことできれば幸いです。

●物流人間大賞
同賞は広く物流分野で高い功績を示された個人を顕彰することを目的として2015年度に創設された。受賞者は記者会加盟社の推薦等を踏まえ、同記者会幹事会での選考により決定する。

授賞式は、毎年11月を目途に開催予定の日本物流記者会の総会後の懇親パーティで行うものとする(本年は中止)。
第1回受賞者 川合正矩氏 (日本通運㈱代表取締役会長、全国通運連盟会長)
第2回受賞者 星野良三氏 (多摩運送㈱代表取締役会長、全日本トラック協会会長)
第3回受賞者 工藤泰三氏 (日本郵船㈱代表取締役会長)
第4回受賞者 石田忠正氏 (日本貨物鉄道㈱取締役相談役)
第5回受賞者 田村修二氏 (日本貨物鉄道㈱代表取締役会長)
第6回受賞者 坂本克己氏 (全日本トラック協会会長)
第7回受賞者 渡邊健二氏 (日本通運㈱代表取締役会長、全国通運連盟会長)
〈役職は当時〉