2013/10/29

(株)安川電機は、食品・薬品・化粧品等の小物製品およびその中間製品の搬送・整列・箱詰用途を中心に、パラレルリンク機構を採用したMOTOMAN-MPP3を2011年6月より販売してきた。この度、ロボットの小型化で高密度配置を可能にしたことによる設備の省スペース化、ならびにピッキング用新アプリケーションソフトによる無駄の無い制御動作でさらなる高速搬送を実現するMOTOMAN-MPP3Sを11月21日より販売を開始すると発表した。

なお、ピッキング用新アプリケーションソフト（MOTOPICK）は12月20日販売開始の予定。

すでに販売しているMOTOMAN-MPP3に加えて、設備の省スペース化に対する市場のニーズに応えるべくMOTOMAN-MPP3Sを製品化することにより、食品・薬品・化粧品等に代表される小物製品搬送分野への販路拡大を図る。また、機能向上、ラインアップ拡充の両面より顧客の生産ラインの自動化・最適化にさらに貢献するとしている。

販売開始：2013年11月21日

※ピッキング用新アプリケーションソフト（MOTOPICK）は2013年12月20日販売開始予定

用途：食品・薬品・化粧品等の小物製品や部品などの搬送・整列・箱詰め用途

目標販売台数：400台／年（パラレルリンクロボットシリーズ全体）

販売価格：オープン価格

＜主な特長＞

(1) MOTOMAN-MPP3S

1. クラス最高速の搬送能力

1kg可搬重量設定時：230cpm（右図の動作パターン時）

3kg可搬重量設定時：150cpm（右図の動作パターン時）

※cpmとは1分間に決められた動作を何回行えるかという単位。（cycle per minute）

2. 先端軸（T軸）の高許容慣性モーメント値

先端軸（T軸）の許容慣性モーメント値を高めることにより、高イナーシャがかかるような2個取り用のハンド等の取り付けが可能になる。複数個（2～3個）のワークを一度にピッキング出来るハンドが取り付け易くなったため、ロボットの搬送能力をより向上させる事が出来る。

3. 中空ボディ

MOTOMAN-MPP3Sのマニピュレータの中心に配管、配線用の中空穴（φ80mm）を設けた。この中空穴を利用することにより、今まで各設備のロボット動作を考慮して行っていた配管、配線作業が容易になる。

4. 自在ジョイント部（ボールジョイント部）グリースレス化

カバーで覆われていない関節部（ボールジョイント部）に日本食品衛生法認証の自己潤滑樹脂を採用しました。従来は食品用グリースを採用しておりましたが、今回自己潤滑樹脂を採用したことによりグリース落下等の衛生に関する懸念が無くなる。その他にも様々な安全・衛生向上に寄与する構造を採用している。

(2) ピッキング用新アプリケーションソフト（MOTOPICK）

1. PCレス化

MOTOPICKとは実際にロボットが行う搬送作業のプログラムを設定、編集するための機能だ。このたびリリースするMOTOPICKでは、従来PCで行っていた処理をロボットコントローラ内で行うことが可能になり、システム稼動中におけるPCとの接続が不要となる。また本機能はオープン化される予定のため、将来的に顧客による機能追加が行えるようになる。これにより、顧客独自のアプリケーションの構築が可能。

2. セットアップサポート機能の充実

今回のMOTOPICKでは、システム構築や運用をサポートするセットアップサポート用PCソフトを提供する。本ソフトは対話形式でセットアップサポートを行う機能が備わっており、セットアップに不慣れな方にも設定漏れ等が無く容易に作業できる。

3. 機能拡充

取りこぼし防止機能、品種混在対応機能、コンベヤ速度制御機能等の顧客のニーズに応える新しい機能を追加した。これにより、顧客の構想される様々なライン構成に対応するための汎用性を向上している。