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ヤスサキ、DALの新EDIシステムを採用、2ヶ月で移行実現

2017/07/26

(株)データ・アプリケーション(DAL)は7月26日、北陸地方を商圏に食品スーパー11店舗、衣料品店舗10店舗、ホームセンター5店舗、その他、ファッション・雑貨専門店、100円均一のFC店舗などを運営する量販事業者・ヤスサキグループが、新EDIシステムに「ACMSシリーズ」を採用し運用を開始したと発表した。

新EDIシステムは、流通業界の業界標準「流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)」(※1)に対応。様々なEDI形態を統合管理できるB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」を中核に、オプションのWeb-EDIシステム基盤「ACMS WebFramer」と、小売業向けの業務テンプレート「ACMS WebFramer 流通BMS対応Web-EDIテンプレート」で構築したもの。取引先規模に応じた3つの流通BMSパターンを提供した。また、約2か月間という短期間で移行を実現し、ACMSシリーズの信頼性や統合運用性などから、取引先と正確かつ安定したデータ交換が可能になった。

ヤスサキは13年来、独自のデータフォーマットによるインターネットを使ったEDIシステムを利用してきたが、自社のEDIシステムだけでなく、取引先に利用してもらう受注システムも含め老朽化が大きな課題だった。また、2019年10月1日実施の消費税軽減税率への対応も必要であり、2016年7月にEDIシステムを刷新する方向で検討を開始。EDIの仕様では、流通業界の業界標準「流通BMS」の採用を決断した。この時最も重要視したのが、取引先の負担をできるだけ抑え、受注システムの切り替えをスムーズに行ってもらうことだった。

ヤスサキの取引先は、家族経営から大手企業までの様々な規模で約200社あり、取引先規模にあわせた以下の3つの流通BMSパターンを用意した。これにより、取引先の導入負担も抑えつつ、短期間かつスムーズな新EDIシステムへの移行を実現している。

3つの流通BMSパターンは具体的に次の通り。

(1)自社構築プラン(対象:65社)
流通BMSをすでに導入済みの大手や中堅クラスの取引先には、ヤスサキとの取引に対応したソフトウェアを自社で調達、あるいは構築した。

(2)レンタルプラン(対象:48社)
取引量が多く自社システムとのデータ連携が必要で、ソフトウェアの自社調達が難しい大規模から中規模の取引先には、月額料金で利用できる流通BMS対応のシステム「WinWin-EDI」※2をレンタルで提供しました。

(3)Web-EDIプラン(対象:44社)
自社システムとの連携は必要なく、取引量も比較的少ないが、ヤスサキとのデータ交換をEDIで継続したい取引先には、「ACMS WebFramer」と「ACMS WebFramer 流通BMS対応Web-EDIテンプレート」で構築した流通BMSを補完するWeb-EDIを用意した。Web-EDIならシステムの専任担当者がいなくてもインターネット環境とWebブラウザさえあれば迅速に流通BMSに切り替えることができた。

取引先の窓口は多様にあるものの、店舗側では従来どおり商品バーコードを読み取って数量を入力し、発注を確定するだけ。「店舗オペレーションを煩雑にしないように」との経営トップからの厳令も守ることができた。

(株)ヤスサキ 管理部 マネージャー 財務・経理・人事・システム担当 木間 学氏は「業界標準の流通BMS、それに対応したACMSシリーズを導入し3つのパターンを提供することで、企業規模の異なる取引先に対し導入負担も低く抑えられると考えました。それでいて店舗側の発注オペレーションは、どのパターンで取引している取引先であっても変化はないため、これが最善の選択だと判断しました。今後は、EDIでの取引未体験の取引先もあるので、導入していただけるよう尽力したいです。」と、コメントを寄せている。

※1:流通BMS=「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)」の略で、流通事業者(メーカー、卸、小売)が統一的に利用できるEDIの標準仕様。経済産業省の「流通システム標準化事業」により、2007年4月に制定されました。

※2:株式会社リテイルサイエンスが提供する流通BMSに特化した業務システムです。

●ヤスサキ システム概要図

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