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山善、バリ取り作業ロボット導入を包括的にサポート

2017/01/17

(株)山善は1月16日、材料加工のバリ取り作業について人手を代貸するロボットの導入からオペレーターの育成に至るまで、中小の製造業をターゲットにバリ取りの自動化を包括的に提案していくと発表した。

昨今、製造業では特に中小企業は慢性的な人手不足に陥っているところが多く、労働人口の減少は今後益々深刻になることが予想される。その中でも、中小の製造現場におけるいわば“労働集約型”のバリ取り(材料を加工した際に材料の角やへり等に出来る出っ張り(バリ)を取り除くこと)などの仕上げ加工は、人手に頼る部分が多いため、省人化・自動化への対策が大きな課題となっている。

しかし、バリの発生状況は大きさや発生位置等にばらつきがあるため、自動化の普及はなかなか進んでいない。完全に自動化するには、高額な投資や広大な設置スペースのみならず、優秀な技術者も必要とするため、人材不足に悩む中小企業にとっては困難な状況だ。

そこで、ものづくりの現場を支えてきた同社では、これまで専門商社として培ったノウハウやネットワーク、豊富な商品群を活かし、まずは同社が得意とする中小の金属加工分野を対象に、バリ取りの自動化を包括的に提案することとした。自動化の提案により、仕上げ加工の省工程化・省人化を目指す。また、今後は金属加工のみならず、樹脂やゴム等幅広いターゲットを対象に、中小のものづくり現場の競争力強化に寄与していく。

今回の自動化提案では、バリ取り専門のコンサルタントと協同で、自動化を包括的に提案する。コンサルタントが現場を的確に把握して自動化可能な工程を見つけ、その上で、同社がこれまで専門商社として培ってきたノウハウと調達能力を活かし、最適な手段(機械と先端工具の組み合わせ)で自動化を提案する。また、ロボットの導入のみならず、作業条件等の変更対応も自社で出来るよう、ロボットティーチングに至るまで包括的にサポートする。

バリ取りは人間の五感に頼ったきめ細やかな作業を要するため、自動化が困難であると言われてきた。一方で、単調な繰り返し作業は、人間が不得意な分野であると言われている。そこで、専門コンサルタントが問題点を洗い出し、どの工程を自動化すれば良いのか見極めることで、完全自動化ではなく、人間とロボットの得意な分野を活かしながら、バリ取りの省工程化を目指す。また、人とロボットの融合による自動化提案をすることで、投資が抑えられる上、省スペースでの設置が可能となり、多品種対応も可能となる。

●自動化提案の流れ
(1)現状把握:作業内容や加工材料を調査し、問題点と原因を調査
(2)自動化提案:現場調査後、最適な手段(機械と先端工具の組み合わせ)で自動化を提案
(3)設備設計・制作:検収条件の確認、システム設計、ロボット講習、稼働に至るまで包括的にサポート
(4)継続・進化:作業条件等の変更対応も自社で出来るよう、ロボットを育てるサポートや他工程の展開等も提案

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