2016/10/11

(株)日立製作所と(株)日立プラントメカニクスは10月11日、専用レールや移動ガイドが無くても自律的かつ高精度に走行できる産業用ロボット自律走行装置「HiMoveRO(ハイモベロ)」を販売開始した。

同装置は、固定して使用されることが多い産業用ロボットを自律走行させることで作業範囲を広げ、1台で複数の作業を行えるため、生産性の向上が図れるとともに、生産・物流現場の頻繁なレイアウト変更にも柔軟かつ迅速に対応できるのが特徴。

近年、消費者ニーズの多様化やデジタルマーケティングの進展に伴い、多品種少量の製品を扱う工場や物流倉庫が増加するとともに、IoTを活用したモノづくりやサービスの革新が求められており、産業用ロボットの導入による生産性向上へのニーズが高まってきた。他方、一般的に産業用ロボットは緻密な作業を行うため固定使用例が多く、ロボットは精緻に移動させて1台で複数作業を行い、頻繁に行われる現場のレイアウト変更に柔軟かつ迅速に対応することが求められてきた。

同装置は30年以上にわたる無人搬送車の豊富な実績・ノウハウと先進の自己位置推定技術を活用し、レーザー距離センサーで周囲の情報を取得して電子地図を自動作成、走行ルートを設定して自律走行する。設定ルートと誤差が生じた場合には電子地図とマッチングさせて自己位置を自動で認識、補正しながら走行する。独自技術により誤差±10mm以内の高精度で目的地に停止可能なため、1台で複数の作業が行え、顧客の生産性向上とコスト削減に貢献できる。専用レールや走行ガイド設置工事が不要で、工事に伴う時間やコストも抑えることができ、現場のレイアウト変更への柔軟かつ迅速な対応が可能。

両社は  同装置に搭載する産業用ロボットの選定や仕様決定を含めたシステムインテグレーションから設計、調達、製造、導入、アフターサービスまでを一括で対応し、主に医薬品、電子・半導体工場の生産ラインや物流施設のピッキングラインなどに向けて積極的に販売していく。