2016/09/27

丸紅(株)は9月26日、100％子会社である丸紅無線通信(株)が日建リース工業(株)と協業することを発表した。日建リース工業が今年9月24日から提供を開始した回収付きパレットレンタルサービスについて、パレットの位置情報等を管理するIoTサービスを包括的に提供する。

荷物を載せて運搬する荷役台としてのパレットは、トラック等に載せられて移動を繰り返すために紛失が多い。紛失リスクの最小化を目的として、安価な反面、環境負荷や衛生面で懸念のある木製パレットを購入せざるを得ない状況がある。そのため日建リース工業では、GPSによる所在の把握、確実な回収を実現する樹脂性パレットのレンタルサービスを提供することで、この懸念で利用に踏み切れない客層を中心にパレットレンタルサービスの利用拡大を企図していた。

丸紅と丸紅無線通信は、日建リース工業向けにM2M・IoT分野において、これまでの無線ネットワークの提供に加え、GPSユニット供給および位置情報管理システムの開発をクラウドで行い、それらをインテグレートする高品位な構築・運用技術等、丸紅グループの総合力を活用したソリューションの提供を行う。

同ソリューションでは、GPSユニットは長時間無充電で位置情報のほか、温度、加速度、電池残量情報も取得可能。荷物の最新位置、移動履歴、エリア認識等と併せてクラウド上で参照できる。将来はこれらの取得情報を道路・天候・季節情報等と合わせて分析することで、最適な運行ルート、運転方法の提示、物流段階での荷物の状態把握・分析等付加価値サービス提供が可能となり、荷主主導の物流管理環境の実現が視野に入ってくる。日建リース工業は、「TranSeeker」ブランドで本サービスをカゴ車等パレット以外にも水平展開していくことを目指す。