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トッパン・フォームズ、RFID温度履歴管理システムを開発

2013/04/30

トッパン・フォームズ(株)は、高機能保冷剤「メカクール」を活用した医療用の定温輸送箱への追加機能として、空輸に対応したRFID温度履歴管理システム「Ontrasys/オントレイシス」を開発し、4月26日より販売を開始したことを発表した。

従来、定温物流(積荷である商品の品質維持のために適当な温度を維持したままで輸送する方式)において輸送時の温度履歴管理と物流センターでの入出庫作業の効率化を同時に実現するためには、温度センサーとアクティブ型ICタグ機能双方を搭載する必要があった。しかしながら、一般的なアクティブ型ICタグは定期的に電波を発信することから航空機内での利用が規制される電子機器に該当しており、航空機内に持ち込むことができないという課題があった。

医療用の定温輸送箱に温度センサー付きアクティブ型ICタグを組み込むことで、輸送中の温度計測、入出庫機能が付加され「品質管理」および「業務効率」の向上を実現する。今回の開発の大きな特長は、電波の発信を停止/開始と制御することで航空機輸送を可能としたこと。

(1) RFIDのアクティブ通信(RFIDタグに電池を搭載して電波での長距離通信や各種センサーとの組み合わせに用いられる)・パッシブ通信(リーダが放射する電磁波をタグの電源に変換し、それにより通信を行う。昨今のNFCのような通信規格に代表される。)の両機能の搭載
読取機を近づけることで必要なときに必要な情報を取得可能なパッシブ型ICタグの機能と、物流センターで複数の対象物の情報を離れた場所から効率よく取得可能なアクティブ型ICタグの機能を兼ね備えており、自由度の高い運用システムの構築が可能

(2) 3種類の動作モードを搭載し、これを切り替えて運用することで航空機輸送を実現
航空機輸送と温度管理輸送の双方のニーズに対応しつつ、電池の消耗も抑えることが可能

(3) 温度センサーを4チャンネル設けることが可能
内蔵温度センサーも含めて4チャンネル設けることができ、3温度帯保冷箱にも対応

これまで、同社の定温物流への対応は、輸送中の品質管理向上を目指して保冷剤や保冷箱の改良を中心に手掛けてきたが、今回の「Ontrasys/オントレイシス」を利用することで、さらに安全性を高めるとともに、輸送業務の効率化が実現可能となる。

同社は、「メカクール」for Medicalを中心とした医療分野などの温度管理輸送、航空機輸送を必要とする顧客に対し、2014年度までに10億円の売上を見込む。

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