㈱MUSEは2月17日、棚割ソフトウェア国内大手の㈱サイバーリンクスと共同で、㈱ミスターマックスが運営する総合ディスカウントストア「ミスターマックス吉塚店」においてロボットによる「商品棚のリアルタイム・デジタルツイン」の実証実験を開始すると発表した。
同実証では、広大な売場を持つディスカウントストアで同社のロボットが店内を巡回し、商品棚を自動撮影し、その棚画像を商品画像データベースや棚割データと連携したサイバーリンクスのAI画像認識エンジンで解析することで「どこの棚に、どの商品が、どのような状態で置かれているか」を把握する。これにより、欠品や陳列乱れを早期発見する次世代の店舗DXに取り組む。
なお、今回の取り組みの詳細は、2026年3月に開催される「リテールテックJAPAN2026」のサイバーリンクス展示ブースで公開する。

同社によると、労働力不足が深刻化しつつある小売業界の中で、特に数万点のSKUを抱えるディスカウントストアでは、「商品を探す」「欠品の有無を歩いて確認する」といったアナログな作業は、店舗運営における大きな「見えないコスト」と指摘。同プロジェクトでは、同社のマルチユース型ストアロボット「Armo(アルモ)」と、サイバーリンクスの「高精度AI画像認識エンジン」「商品画像データベース」「棚割データ」を連携させ、売場の「いま」をデジタルツイン化(物理空間にある実体の情報を、IoTデバイスやロボットを通じてデジタル空間上に再現する技術)。それにより、スタッフが売場を巡回することなく、バックヤードやオフィスにいながらすべての棚の状態を把握できる環境の構築を目指すとしている。
●実証実験概要
開始時期:2026年3月
実施店舗:ミスターマックス吉塚店(福岡県福岡市)
同実証では、次の3つのステップを通じて「商品棚のリアルタイム・デジタルツイン」を構築する。
①「Armo」による自動巡回
ロボット「Armo」が売場を自動走行し、高解像度の棚画像を撮影。撮影した画像には、棚ごとの位置情報を同時に紐付けする。
②AI画像認識エンジンによる解析
サイバーリンクスの高精度AI画像認識エンジンと、商品画像データベース「Mdbセンタ」、棚割システム「店POWER」を連携。撮影された棚画像から商品の有無や、陳列位置を自動的に判別する。
③商品位置の特定とデータベース化
解析結果から、どの商品が、どの棚の、どの位置に陳列されているかを自動的にデータベース化する。
●期待される導入効果
同ソリューションの導入により、以下の3段階で店舗DXを加速させる。
①作業工数の大幅な削減
商品の正確な位置情報をデジタル上でリアルタイムに把握できるため、新人スタッフでも迷うことなく品出しや商品案内が可能になる。探す時間の削減により、作業効率が大きく向上する。
②収益性の向上と管理業務の適正化
AI解析により、棚画像から欠品検知や売価表示ミス(プライスカードとの不一致)を自動検出。販売機会損失の防止と、棚管理業務の工数削減を同時に実現し、店舗の収益性向上に貢献する。
③顧客体験(UX)の進化
将来的には商品の位置情報をエンドユーザー向けアプリへ開放し、買い物客が探している商品へ最短で辿り着ける「スマートな買い物体験」を提供する。
●今後の展望
今後は、AI画像認識エンジンのさらなる精度向上と商品画像データベースの拡充を進め、ミスターマックス店舗での認識対象売場を拡大する予定。また、サイバーリンクスとの取り組みを強化し、同ソリューションを全国の小売業へ向けた次世代店舗ソリューションとして展開することで、店舗DXを加速させていく。

