パナソニック コネクト㈱の米国グループ会社で機内エンターテインメントシステム及び機内Wi-Fiサービスカンパニーのパナソニック アビオニクス㈱と、世界的な衛星通信アンテナおよび地上ゲートウェイソリューションプロバイダーである韓国Intellian Technologies(インテリアン社)は9月8日(米国時間)、フランスEutelsat(ユテルサット社)のOneWeb LEOネットワークに接続する、高性能で費用対効果の高い、低軌道衛星通信(LEO: Low Earth Orbit)専用アンテナシステムを発表した。

低軌道衛星通信(LEO)アンテナシステム
航空機搭載例

新アンテナシステムは、インテリアン社の新しいLEO専用航空機用アンテナを特徴としており、モデムとコントローラを一体化させ、レドーム(※1)を必要としない設計になっている。

※1:レドーム(radome):レーダや通信機器のアンテナを保護するための構造物やカバーのことを指す。

同インテリアン社アンテナは、電子走査アレイ(ESA: Electronically Steered Array)技術(※2)、設計およびインテグレーション面で革新的であり、性能、重量、設置の容易さを犠牲にすることなく大幅なコスト削減を実現する。

パナソニック アビオニクスは、インテリアン社の航空機用アンテナを使用し、最大195Mbpsの通信速度と100ms未満の低遅延で、より高速で信頼性が高く、将来性のある接続体験を航空会社の乗客に提供する。

※2:電子走査アレイ技術:アンテナ本体を物理的に動かすことなく、電気信号の操作だけで電波(ビーム)の向きを瞬時に変える技術。多数の小型アンテナ素子を平面に並べ(アレイ)、各素子から出す電波のタイミング(位相)を電子制御することで、狙った衛星を高速かつ正確に追尾する。機械的な駆動部を持たないため、「高速追尾」「薄型・軽量」「高信頼性」を実現できるのが最大の利点。

パナソニック アビオニクスの持つ広範な製品群に同製品が加わることで、既存のマルチオービット衛星通信ソリューションを補完し、特定の衛星ネットワークや軌道に縛られず、航空会社の多様なニーズに合わせた最適な接続ソリューションを提供するという戦略をさらに強化する。

新アンテナシステムは、2026年末よりパナソニック アビオニクスの既存および新規航空会社顧客向けに、後付装着用(レトロフィット)として提供開始される。航空機の稼働停止時間を最小限に抑えることを目的としており、一晩での設置作業が可能。

パナソニック アビオニクスのハードウェア設計思想の中核であるモジュール式デザインにより、ハードウェアおよびネットワークの機能強化が利用可能になった時に、コアコンポーネントを容易にアップグレードできる。また、航空会社は複数の異なる衛星通信システム(コンステレーション)を同時に利用できるようになり、既存のパナソニック アビオニクスの機内接続サービスを補完するために使用することもできる。

新しいLEO専用ソリューションは、一般的なマルチオービットおよび地球静止軌道(GEO: Geostationary Orbit)アンテナの半分以下の重量であり、燃料消費量の削減を通じて、航空会社のサステナビリティ目標の達成にも寄与する。

さらに、同アンテナシステムは、航空会社のオーナーシップ体験を一段と高める。パナソニック アビオニクスのWi-FiポータルスタジオおよびWi-Fiレポートにより、航空会社は通信状況を自ら管理できるようになる。パナソニック アビオニクスのWi-Fi ローミング契約およびOneMedia広告ソリューションと組み合わせることで、サービス利用率を高め、Wi-Fiサービスの提供における航空会社の運用コストを低減し、無料Wi-Fiといった魅力的な乗客サービスの提供も可能になる。