三甲㈱は7月18日、伊藤忠商事㈱、㈱ファミリーマート、国立大学法人京都大学生存圏研究所と共同で、セルロースナノファイバー(CNF)を活用した強化プラスチック製SNコンテナ(バット)の実証事業に参画していることを明らかにした。
同事業において、同社はCNF強化プラスチックを用いたSNコンテナ「C#24F」の製造および回収・リサイクルを一貫して担い、物流資材分野における新素材導入と循環利用の両立を図ることで、持続可能な物流インフラの実現に貢献する。

CNFは植物の主成分であるセルロースを処理してnm(ナノは10億分の1) サイズまで細かく解きほぐした素材。原料は持続的に供給可能な木材由来で、炭素固定が可能なバイオマス由来素材。プラスチック等に複合することで、優れた強度特性・リサイクル性等を実現する、日本が世界の研究開発をリードする最先端のバイオマス素材としている。
CNFは再生可能な木材由来のバイオマス素材として、強度やリサイクル性に優れることから、物流資材への応用が期待されている。こうした素材特性を活かし、軽量化・薄肉化による作業負担の軽減や環境負荷低減の両立を目指して、実際の物流現場での実用性を検証するため、関係各社が連携し、CNF強化プラスチック製SNコンテナ「C#24F」の導入に向けた実証事業を開始した。
●実証事業の概要および各社の役割
同実証では、ファミリーマートの静岡県内の一部物流センターおよび店舗間の物流において、三甲が製造したCNF強化プラスチック製SNコンテナ「C#24F」を使用する。使用後の一部SNコンテナ「C#24F」は三甲により回収され、マテリアルリサイクルを行った上で、京都大学にて製品性能評価および環境影響評価が行われる。実証における各社の役割は以下の通り。
ファミリーマート:物流資材の使用現場として、CNFを配合したSNコンテナ「C#24F」の実運用および物流課題の明確化を担当
三甲:CNF配合のSNコンテナ「C#24F」の製造・供給および使用済み資材の回収・再資源化を担当
京都大学 矢野特任教授:製品性能評価および環境評価等を担当
伊藤忠商事:コンソーシアムの取りまとめ、及びCNF強化樹脂の開発・調達、プロジェクト全体の推進を担当

なお、小売店舗物流におけるCNF物流資材の導入は世界初の取り組みであり、実装地域である静岡県は製紙産業およびCNF研究開発の集積地としても大きな意味を持つ地域となっている。
三甲は物流資材の国内最大手メーカーとして、高度な成形技術と豊富な製品設計ノウハウを活かし、CNFという新素材の社会実装における実用化フェーズを支える役割を担う。さらに、SNコンテナのみならず、ファミリーマートにおいて使用される他の物流資材にも、今後CNF活用の検討範囲を広げていくとしている。
今回の実証で得られた知見をもとに、三甲は今後も「軽量化・高耐久性・環境調和型」の物流資材の開発を継続し、顧客の多様なニーズに応えると共に、循環型社会の実現に向けた取り組みを一層強化していくとしている。

