物流・製造DXを支援するロジスティクスシステムの開発・製造・販売を行っている㈱アイオイ・システム(AIOI)は5月28日、医療総合卸道内最大手のほくやく・竹山ホールディングスグループの㈱ほくやくにおける導入事例動画を公開した。

新川物流センターの現場イメージ

●物流2024年問題と北海道特有の課題への挑戦
ほくやくの新川物流センターは北海道内で唯一のクロスドック方式(※1)を採用し、製薬メーカーからの入荷商品を拠点別に仕分けを行い、北海道内の各拠点へ迅速に発送する役割を担っている。同センターが直面していた課題は以下の3点に大別される。

①物流2024年問題
集荷時間の前倒しにより従来の業務体制では対応が困難。

②冬季条件によるリスク
雪や気候条件による遅延リスクが高く、医薬品の安定供給が課題。

③業務負荷の増加
物量の増加に伴い地方拠点への供給を安定的に維持するため、自動化が必要不可欠。

●導入されたシステムとその効果
プラスオートメーション㈱の自走式ロボット「t-Sort」と、AIOIの重量検品システム「WAS」(※2)、デジタルピッキングシステム「DPS」を組み合わせた独自のシステムを導入することで、以下の効果が得られた。

①処理能力の向上:人員を増やすことなく処理能力を約1.1倍に向上。将来的には約1.4倍へ向けた計画も進行中。

②品質向上と誤出荷防止:デジタル表示と重量検品による二重チェックで仕分けミスが軽減。

③労働環境改善:約20kgのカート運搬作業をロボットが代行することで、従業員の歩行距離を削減し、負担を軽減。

今回の導入により新川物流センターは、医薬品物流における品質向上、業務効率化、労働環境改善を実現した。ロボットと人の協働により、物流業務が劇的に進化し、医薬品の安定供給に大きく貢献している。

●導入事例動画
「自走式ロボットと重量検品を組み合わせた独自のシステムで 医薬品卸売事業の仕分効率を向上」
新川物流センターに、自走式ロボットを中心とした新物流システムを構築した事例になる。
https://youtu.be/6sQU-aRm3yo?si=UWouiR-dEbykd4Hj

※1:クロスドック方式は、仕入先から商品入荷後、在庫せずに、そのまま仕分けし出荷する物流手法を指す。
※2:WASとは、表示器による仕分け作業と重量検品を同時に行える、計量器付きアソートシステム。