沖電気工業(OKI)は1月20日、屋内外問わず保管された製品や設備品などモノの位置情報をスマートフォンで簡単に追跡可能なロケーション・在庫管理システム「SHO-XYZ(ショザイ)」を3月から販売開始すると発表した。
同システムは、モノにQRコードやRFタグを貼り付けることにより、スマートフォンから保管位置や在庫情報を一元管理することができる。これにより、モノが紛失するといった現場の課題を解決し、管理工数を大幅に削減することが可能。また、同システムは月額5万円からサービス利用できるため、小規模倉庫や投資が難しい工場等でも手軽に導入できる。

倉庫業や製造業などモノを保管する業務では、保管場所の管理業務が属人的になりやすく、人的ミスによりモノが行方不明になることが日々発生している。その多くの原因は、保管場所の記録漏れや誤登録に加えて、小規模な倉庫では人の記憶に頼った管理も多く、一時的にモノが紛失し、その捜索に時間が取られ、予定された期日に出荷できないという問題も発生していたとしている。
特に昨今は、物流2024年問題の影響で倉庫での作業者も不足していることから外国人労働者も増えており、言語の壁を越えた運用が必要となっている。
「SHO-XYZ」は、モノに貼り付けられたRFタグをRFIDリーダと接続したスマートフォンから読み取ることで、屋内外にあるモノの保管位置を自動追跡することができるSaaS型のクラウドシステム。また、WMS等の一般的な倉庫管理システムで必要な入出荷等の管理機能も備わっているため、QRコードやバーコードを活用することでモノのロケーションから在庫管理まで行うことが可能。そのほか、外国人労働者への多言語対応や現場で使われている特有の文言等にも対応している。
これにより、作業者の国籍を問わず、現場状況に合わせたモノの位置登録やアプリ上の地図からモノの位置が確認できるため、現場でのモノの紛失事故を抑制させ、捜索時間を短縮することができるとしている。

OKIによると、同社の自社倉庫を使った実証実験では、モノの捜索時間が同システムの未導入時に比べ約75%削減することができた。
また、従来はモノの保管位置を追跡するには、高価な専用機器等を準備する必要があるため、導入コストや運用コストが高額になっていたが、同システムは小規模倉庫や投資が難しい工場等での利用を促進できるよう、月額5万円から利用できるSaaS型サービスで提供する。これにより、コスト面が課題となっていた現場でもシステムを導入することが可能で、業務のデジタル化を実現することが可能となる。さらにスマートフォンやRFタグ等の汎用市販品を使うことで導入費用を抑えることも可能としている。
今後は入出荷状態や在庫数、荷物移動履歴といったデータ分析を強化し、現場業務効率化や倉庫の生産性向上に貢献する機能をさらに拡充させていく予定。
まずは国内で先行販売し、2026年よりアジアパシフィックを中心に海外へ展開する。
●販売計画
提供価格:月額利用料5万円~(自動追跡等は個別見積)
販売開始:2025年3月
販売目標:累計13億円(~2028年度)
●「SHO-XYZ」商品ページ
https://www.oki.com/jp/SHO-XYZ/index.html