㈱豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー(トヨタL&F)は9月10日、㈱ビームスが拡張移転させる新たな物流拠点「ビームス ウエアステーション」(東京都江東区)において、拠点全体のエンジニアリングを手がけ、自動化システムおよびWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)を納入したと発表した。同拠点は、2024年9月25日から全面稼働を開始する予定。
近年、ビームスグループは、アパレル、雑貨、家具、アート等を扱う国内外約160店のセレクトショップ運営のほか、オリジナル商品の海外向け卸事業、企業・自治体とのBtoB(企業間取引)を伴う協業等、その業容を戦略的に広げており、「ビームス ウエアステーション」の拡張移転と先端自動化システムの導入は、物流面における今後のビジネスへの持続的な対応を図るもの。
そうした中、同社は自動仕分け・保管システムを導入する等、効率的な物流拠点の構築をめざしてエンジニアリングを進めてきた。今回、新拠点の入荷工程には、次世代物流サービスを提供する日本発のスタートアップ企業であるCuebus㈱が開発した、世界初(Cuebus社調べ)のリニアモータ式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」が世界で初めて採用された。「CUEBUS」は、自動で最適経路生成を行い、シンプル構造かつ高い拡張性、多様な荷姿にも対応可能等の特徴を有しており、今回の導入により、今まで人手で搬送していたラックの自動搬送が可能になった。また、RFIDタグによる自動検品システムと連動させることで、検品作業の自動化も実現している。
今回の新拠点の物流エンジニアリングでは、「その物流に、ジャスト・ソリューション」をコンセプトに、自社製品に加えて、他社製品も含めた自動化機器から顧客に最適なソリューションを選定し、WMS等のソフトウェアと組み合わせて提供する同社の強みを最大限に活かした。
●リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」概要
タイル(写真1)と呼ばれるリニアモータ内臓のユニットを物流センター床面に置き、そのタイル上を移動するトレイ(写真2)が商品を載せて搬送する構造となっている。
ビームスの新拠点では、CUEBUSを入荷工程に納入し、トレイが2枚同時に動作できるよう協調制御することで、これまで自動搬送が難しかったZラック(写真3)の搬送自動化が可能となった。さらにはロボットが搬送されるタイル上に自動検品ゲート(写真4)を設置し、商品タグに取り付けられたRFIDタグ(写真5)を自動で読み取ることで、検品作業の自動化も実現した。
また、「CUEBUS」には、搬送タイプの他にトレイがリフタで各段へ移動し、保管倉庫機能をもつ立体タイプがあり、アパレルだけでなく幅広い業界への導入が期待される。
●ビームス物流担当 ロジスティクス本部戦略部 幡野広樹氏のコメント
この度、世界初の導入となる「CUEBUS」をはじめ、物流効率化に資するマテハンを導入し次の10年を支え得る物流基盤を整備いたしました。過去からの単なる技術革新に留まらず、お客さまへのサービス・品質の両輪を向上させることに通ずるものです。迅速且つ正確な物流オペレーションを通じて、これまで以上にお客さまにとってシームレスな購買体験をして頂けるよう、注力してまいります。目まぐるしく社会情勢が変化する今日、今後も多様化する時代の要請にタイムリーに応えるべく、お客さまの期待を超える価値を提供したい次第です。