㈱Mujinは5月15日、㈱SUBARUの群馬県大泉工場で、独自のソフトウェアプラットフォーム「Mujinコントローラ」と、バラ積みピッキング知能ロボット「PickWorker」を用いて、クランクシャフト鍛造粗材の加工ライン投入作業を自動化したと発表した。

SUBARU大泉工場で導入された「PickWorker」

Mujinが提供するソフトウェアプラットフォームを活用することで、これまで非常に困難だった以下3点を実現している。

①複雑な形状の粗材ハンドリングをティーチレスで実現
②タクトに悪影響を与えず、スペースの最小化を実現
③リアルタイムデジタルツイン環境で知能ロボットセル全体の状態可視化を実現

ソフトウェアプラットフォームを基盤に自動化セルを構築し、これまで困難だった上記3点を実現することで、Mujinならではの以下の付加価値を提供している。

①複雑な形状の粗材ハンドリングをティーチレスで実現
知能ロボットを用いた自動化では、従来の自動化に比べ知能ロボットセル立ち上げまでにかかる工数を削減する。また、複雑な形状の粗材ハンドリングに必要だった人員の省人化を可能とする。

それを可能とするのは、Mujin独自のソフトウェアプラットフォーム。ソフトウェアプラットフォームで、対象物の形状や周辺環境を高精度で認識する3Dビジョンシステム・ロボットハンド・アーム・各種センサ類を一括制御することにより、3Dビジョンシステムによるリアルタイムな認識結果をもとに、瞬時に最適なロボット動作を計算・生成する。そのため、事前にロボット動作を一挙手一投足ティーチングする必要がなく、複雑な形状の素材を扱う場合も、知能ロボットが柔軟な対応を可能とする。

②スペースの最少化を実現
Mujinのソフトウェアプラットフォームは、既存の工場内にて新たに自動化設備を導入する場合でも、大型のロボットを採用しながらも、必要最低限のスペースでの自動化を適える。高度なデジタルツイン技術により、現実と同じデジタル環境での事前ロボット動作計画シミュレーションができるため、設計段階で最低限必要なスペース算出を適える。

③リアルタイムデジタルツイン環境で知能ロボットセル全体の状態可視化
Mujinのソフトウェアプラットフォームを基盤に構築する知能ロボットセルは、導入後の安定稼働に貢献する。万が一のトラブル発生時でも、リアルタイムデジタルツイン技術により、セル内のどこで何が起きているのか詳細がリアルタイムで可視化されているため、リモートサポートによる初期対応・早期原因追及・トラブルに対する適切な対処が可能。また、粗材同士が絡まることでロボットが2個同時に把持し、一時的に停止してしまうことを未然に防ぐためのセンサによる異常検知機能を搭載した。これにより、導入後の安定稼働を下支えしている。

●導入事例動画
https://youtu.be/AEISEHFJyRs