日本パレットレンタル㈱(JPR)とユーピーアール㈱(upr)は5月7日、両社共通のサービス基盤「X-Rentalオープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、XROP:クロップ)の本格共同運用を開始した。

「X-Rentalオープンプラットフォーム」

これにより、両社の顧客は「XROP」を通じて、JPR/uprのパレット(P)の発注・返却、受払い、問い合わせ等の機能やサービスをワンストップで受けることが可能になる。併せて、両社間ですでに実施している、パレット回収における輸送車両共同運行等を拡大していくとしている。

両社はパレットをはじめとする物流容器の循環型運用に必要なサービス基盤の共通化を推進する「XROP」の共同開発と運営に2022年4月に合意。JPRは2023年11月に先行して「XROP」を介したサービスの提供を開始している。今回、uprが「XROP」への移行を完了したことから、「XROP」の本格運用を開始する。

物流業界は深刻化するトラックドライバー不足を背景とする「2024年問題」に直面しており、トラックドライバー不足の要因の1つとして指摘されているのが、積荷を手作業で積み下ろしすることによって生じる荷役や待機の時間の発生である。パレットはそうした物流の課題を解決する手段としても注目を集めている。

※参考資料:「2030 年に向けた政府の中長期計画」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/index.html

●パレット循環利用のサービス基盤を共通化した「XROP」
レンタルパレットをはじめとした物流容器を多数の企業で循環利用するためには、ハードとしての物流容器だけでなく、IT・人的なサポート・ロジスティクス(輸送)の機能が必要。そうした機能を個々の企業が構築することは容易ではなく、かつ複数の運用ルールや管理ツールが併存することは、物流現場の新たな負荷につながる。

JPRとuprはこれまで国内シェア上位のレンタルパレットサプライヤーとして、それらの機能をそれぞれ個別に顧客に提供してきたが、今回「XROP」によって主要な機能を共通化した。今後は他のレンタル事業者や自社で物流容器を所有・運用する企業等に「XROP」への加盟を募り、サービスの提供範囲を拡大する計画としている。

「XROP」は、すでにJPRやuprのサービスを利用している企業が両社のパレットを扱う手間を軽減するだけでなく、これからパレットを活用しようとする企業の導入ハードルを下げ、産業界全体にパレットが活用しやすい環境を創出。「XROP」により、物流現場の業務負荷の軽減、コスト低減を実現し「2024 年問題」の解決に貢献するとしている。

●多様なソリューションとの連携によるDX
「XROP」はJPRとuprが提供してきたシステムを共通化するだけではなく、多様なアプリケーションとの連携を可能にする。JPRは、納品伝票電子化「DD Plus」や共同輸送マッチングサービス「TranOpt」、TSUNAGUTE社のバース予約システム「telesa-reserve」の連携を実装済み、または計画中である点を明らかにしている。

uprは、アクティブRFIDタグを搭載したクラウド型パレット管理システム「スマートパレット」やAI画像診断を用いたパレットカウントアプリ「パレットファインダー」と連携を予定している。

「XROP」は、JPR/upr両社が提供するソリューションに限らず、第三者が提供するソリューションとも連携が可能。より多くのソリューションと連携を進めることで、顧客企業が進めるデジタルトランスフォーメーションの取り組みを支援していくとしている。

●X-Rentalオープンプラットフォーム
https://x-rental.jp/