㈱椿本チエインは4月24日、(独法)製品評価技術基盤機構(NITE※)のバイオテクノロジーセンターに、最大51万本のサンプルを長期保存できる「微生物サンプル長期保存用自動化システム」を納入し、4月より本格稼働したと発表した。
NITE・バイオテクノロジーセンターでは、バイオ産業の発展を支援するため、経済社会活動を支える知的基盤として必要不可欠な、細菌、カビ、酵母やバクテリオファージ(バクテリアに感染するウイルス)等の生物遺伝資源(サンプル)を収集・保存、同サンプルが必要な研究機関や企業へ提供されている。
今回納入した自動化システムは、従来手作業であったサンプルのデータ登録・在庫管理、サンプルの入庫・保存・出荷業務の自動化を担っている。メインの低温自動保管庫「ラボストッカ」は、最大51万本のサンプルを4℃の環境下で安定保存。サンプルは1本ずつデータ管理されており、外部からの要求に応じて、ラボストッカが必要なサンプルのみをピッキング・出庫している。そのラボストッカに加えて、前後工程の入庫、梱包、検品、封入(発送用)工程を含めた自動化ラインとなっている。
サンプル保存業務の効率化、ヒューマンエラーの削減を図ると同時に、煩雑な保存業務から研究者を解放。バイオ研究の発展に不可欠な微生物資源を、安全かつ高品質に保存し、安定的に提供するという課題解決に、同社の自動化システムが貢献している。
●「微生物サンプル長期保存用自動化システム」紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=OpqJa9Uatn4
●特長
①最大51万本の微生物サンプルを4℃の環境下で保存
ラボストッカが微生物サンプルを4℃の環境下で安定保存。51万本分の保存に加え、省スペース化にも貢献する。
②在庫管理システムと連携したミスのない入出庫
ラボストッカと連携した在庫管理システムで、各サンプルのデータや入出庫日、ロケーション情報を一元管理。出荷時には、サンプル1本単位で、人手を介すことなく自動出庫する。
③出荷工程の自動化による省人化
真空度検査、製函、梱包、帳票の荷揃えを担う2台のロボットアームにより、出荷工程(サンプルの出庫から検品前まで)の無人化を実現(協力:グローリー㈱)。また、QRコードによる検品システムにより、効率化と同時に取り間違い等のミスを防ぐ。
※独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)本件に関するリリース
https://www.nite.go.jp/nbrc/information/release/jidouka.html