キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ㈱(キヤノンITS)は11月17日より、数理技術を用いたサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」を提供開始した。

SCPlanet活用イメージ図

昨今、物事の不確実性が高く、複雑な変化が起こるVUCAの時代と言われており、サプライチェーンにも地政学リスクやパンデミック、自然災害等による急激な環境変化がいつ起こるかわからない状況となっている。企業が生産計画や物流計画を立てる上で、拠点閉鎖/物流機能不全/材料不足や環境への配慮など需要波動や不測事態等に対応できる柔軟さが求められるが、人による情報収集/状況判断能力には限界があるため、サプライチェーンを分割して割り振られた担当者が、個人のノウハウに基づき生産や運送等の各計画を立案することが多いのが実情としている。そのため、計画の連携不足による無駄や、計画ノウハウの集中による属人化/業務負荷過大を誘発。同社はそのようなサプライチェーン計画における課題を解決するため、現状ある要員/設備/システム等のリソースを最大限活用した生産/物流計画を自動的に作成することができるSCPlanetの提供を開始したとしている。

●特長
SCPlanetは、これまでキヤノンITS が培ってきた計画系システム開発の経験/技術/ノウハウを共通フレームワークとしてSIコア化したプラットフォーム。同プラットフォームは、キヤノンITS が強みとする独自の数理技術を活用することにより、多段階/多拠点の生産/物流工程における生産(Production)、販売計画(Sales)、在庫(Inventory)の状況を把握し、自動的に各拠点各工程での生産と補充のタイミングを決定することが可能としている。

キヤノンITSは、SCPlanetの提供開始により、需要予測ソリューション「FOREMAST」や会計システム「SuperStream」等をラインナップする基幹業務トータルソリューション「AvantStage」を軸としたビジネスで、顧客ごとに必要な個別のシステムインテグレーション等を含め、2025年に年間100億円以上を目指すとしている。

●SCPlanet機能概要
(1)フレームワーク構造をもった「生産計画」と「物流計画」のライブラリ群で構成

SCPlanetのライブラリ群

(2)「幹線輸送(1次輸送)」と「輸配送(2次輸送)」の2つの計画オプション機能
・「幹線輸送(1次輸送)計画オプション」
工場在庫を各マザー倉庫へ、あるいは物流センターから地域拠点倉庫へ、といった幹線輸送(1次輸送)において、輸送方法や輸送量の上限値を考慮した上で、最適な輸送計画を立案可能。積載量/時間軸(輸送タイミング)/拠点軸(どの工場倉庫から運ぶか)の3つの基軸でシミュレーションを行い、物流コスト(輸送・在庫)の最適化を実現する。

・「輸配送(2次輸送)計画オプション」
積載率、走行距離、所要時間等の各種評価指標を自動計算し、効率の良い輸配送計画を立案する。ベースとなる「配車SIコア」は約30種の制約条件判定機能を搭載しており、顧客の実績データを元に輸配送の最適化シミュレーションを実施して構築。地図表示機能は複数のルートを比較表示でき、配送順や届け先のまとまり度合いを見ることができるとしている。