パナソニック ホールディングス㈱(パナソニックHD)は11月8日、広島県広島市にある「ひろしまゲートパーク」にて、NTTコミュニケーションズ㈱(NTTコム)とNTT都市開発㈱が11月9日から行う、自動搬送ロボットを活用した情報発信・巡回パトロールの実証実験において、自動搬送ロボット「ハコボ」および遠隔運用サービスを提供すると発表した。
少子高齢化による労働力不足に対して、パナソニックHDではロボットを活用したサービスの実用化に向けて取り組んでおり、神奈川県藤沢市や茨城県つくば市での商品の配送や東京都内での商品販売など様々なサービス運行に取り組んできた。これらのサービス運行で用いている自動搬送ロボット「ハコボ」は、用途に応じて、後方のキャビンを様々な機能にカスタマイズできる特長や表情豊かに話しかけるコミュニケーション機能等を有しており、商品等の配送以外にも様々なサービスに対応することが可能。今回は、それらの特長や機能を活かして自動搬送ロボットを活用した情報発信および巡回パトロールの実施をサポートする。1台のロボットが複数のサービスに対応することでサービス運用を効率化し、ロボットの利用促進を図る。
なお、今回の実証でのロボットサービスの提供は、藤沢での配送サービス、丸の内での商品販売サービスに次ぐ、国内3件目(※)の届出制での提供事例となる。
今回、広島市内の公園で行われる実証実験の概要は以下の通りとなっており、NTTコムの提供するサービス管理システムと連携し、自動搬送ロボット「ハコボ」および遠隔運用サービスを提供する。
●実証実験概要
期間:2023年11月9日~2023年12月1日
場所:ひろしまゲートパーク(広島県広島市中区基町5番地 中央公園の一部)
内容:
(1)施設情報など各種情報の発信
「ハコボ」の側面にサイネージを搭載し、ロボット走行時に園内に設けた停止ポイントで自動的に停車させ、商業施設の情報や公園内のルール等の情報発信を行う。これにより来園者が園内各所で「移動式デジタルサイネージ」として情報の確認が可能となる。「ロボット×サイネージ」という新たな情報発信形態が、来園者への情報発信手段として有効かどうか検証する。
(2)巡回パトロール
平日の日中帯、「ひろしまゲートパーク」および周辺道路で「ハコボ」を自動走行させ、巡回パトロールを行う。ロボット走行時には、公園内のルールに関する注意喚起をロボットから発話させ、公園利用ルールの認知度向上や禁止行為の抑止による公園の適切な利用推進への効果を検証する。また、通常、人が行っているパトロールをロボットで実施した場合の課題の洗い出しを行い、将来的なロボットの本格導入に向けた可能性を検討する。
パナソニックHDでは、モビリティサービスプラットフォーム「X-Area」を展開し、AI/ロボティクスの活用により、遠隔からもモビリティを使いこなすことで、いつでも、どこでも、どんな人でも、安心して働くことができる、暮らしを便利にするサービスを利用できる社会づくりを目指している。ラストワンマイル配送に留まらず、商品販売をはじめ警備や見守り、広告、案内など様々な業務において、暮らしを便利にするサービスの提供と、労働力不足や労働環境の改善に貢献していくとしている。
●モビリティサービスプラットフォーム「X-Area」
https://holdings.panasonic/jp/corporate/mobility/x-area.html
※2023年4月1日施行の「道路交通法の一部を改正する法律」に規定された遠隔操作型小型車における届出制に基づきロボットサービスを提供。2023年11月8日時点。同社調べ。