TOPPANホールディングス㈱グループ会社の㈱アイオイ・システムは10月11日、電子ペーパーのパイオニアで世界最大手の台湾E Ink Holdings Inc.と協業し、世界初のA4サイズフレキシブルカラー電子ペーパーを搭載したデジタルペーパーとバッテリーレスでNFC対応の“見えるRFID”Smart Tagの連携により実現した「スマート設備点検システム」を2024年4月より法人向けに販売すると発表した。新製品はデジタルペーパーの開発を専業としているE Inkの100%子会社であるLinfiny Japan㈱とアイオイが共同で開発に取り組んでいる。

アイオイとE InkはデジタルペーパーとSmart Tagの連携で協業

販売開始に先立ち、2023年10月17日から幕張メッセで開催予定のCEATEC 2023 E Inkブース【アドバンスドテクノロジーエリア ホール7 小間番号A098】にて展示する。

●スマート設備点検システムについて

SDGsによるCO2排出量の削減や企業のDX促進の重要性がますます増大する中、企業活動でのDXによるデータ連携で生産性の飛躍による競争力の強化、紙の撤廃はもはや必須となっている。

今回発表の「スマート設備点検システム」で活用されるデジタルペーパーは、電子ペーパー上でカラー表示が可能となり、現場のあらゆるドキュメントを電子化し、取り扱うことが可能となった。

同システムでは、従来紙で出していた「指示ビラ」「指図書」「点検フォーマット」等を電子ドキュメントで現場のデジタルペーパーに一斉配布するほか、デジタルペーパーで点検結果を入力し、上位システムに配信する等、紙を使っていた業務をデジタルペーパーに変えるだけでDX化を可能としている。Smart Tagはデジタルペーパーに入力された点検結果をSmart Tag内蔵のメモリに記録し表示させ、点検した設備の状態の「見える化」も実現する。

また、後述するサーバー連携ソフトウェアDCSS(Digital Paper Control Server Software)により、クラウドでもオンプレでも連携可能としている。

スマート設備点検のSmart Tag

●デジタルペーパーの特長
(1)世界初4096色フレキシブルカラー電子ペーパーディスプレイ採用

(2)NFC R/W内蔵、アイオイシステム製Smart Tag連携アプリ搭載

(3)13.3型ディスプレイ+静電容量タッチパネル+ワコムEMRデジタイザ搭載
・A4紙の文書と同じレイアアウトで表示、読み書き可能
・バッテリーレスのEMR方式スタイラスペン
・超低消費電力によりWiFi Onで5日間連続使用、WiFi Offで2週間連続使用可能

(4)現場で要求される各種PDF formに対応
・各種帳票や図面などカラー表示に加え、色を使った手書き入力、ハイライトが可能
・PDF form帳票を活用することで、現場情報のデータエントリーが可能
・現場で使用していた帳票はそのままに、従来の現場業務スタイルを活かしながらDX化を実現

デジタルペーパー

■Smart Tagの特長
(1)2.9型電子ペーパー搭載

(2)NFC搭載 バッテリーレスでデータの読み書きが可能

(3)UHFタグ内蔵し、1.5m距離のアンテナでカード内蔵データの読取が可能

(4)書換回数100万回保証

(5)内蔵メモリ 16KB

(6)IP55の防塵防水仕様、堅牢構造の筐体で悪環境下でも使用可能

(7)「スマート設備点検システム」では、検査結果、次回検査日等を記録し、設備に貼付し使用する

Smart Tag

●サーバー連携ソフトウェアDCSSでクラウドでもオンプレシステムでも連携可能
DCSS (Digital Paper Control Server Software)を使用することにより、HTTPベース(REST形式)のWebAPIを利用してデジタルペーパーと上位システムとの連携が可能となる。上位システムと複数のデジタルペーパーの間でドキュメントの一斉配布、回収、上位システム側でデジタルペーパーでの手書きチェック内容の閲覧、複数のデジタルペーパーからの情報をcsv形式で上位システムに送り、集計する等も可能としている。

サーバー連携ソフトウェアDCSSでクラウドでもオンプレシステムでも連携可能